「マイスモールランド」を観て。世界難民の日に日本の難民問題について考える。

6月20日は世界難民の日。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は今年5月、難民や避難民となった人の数が1億人を超えたと発表しました。
現在ロシアのウクライナ侵攻で国を追われたウクライナ難民を日本でも受け入れていますが、実はその前からもずっと難民生活を日本で送っている方は沢山います。

映画「マイスモールランド」は、約2,000人のクルド人が住む埼玉県川口市を舞台に、日本に逃れてきた難民たちが直面する現実を映し出した作品です。

埼玉に住む17歳のクルド人サーリャ。
すこし前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。
 
あるきっかけで在留資格を失い、当たり前の生活が奪われてしまう。
彼女が、日本に居たいと望むことは“罪”なのだろうか――?
 
「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。埼玉県には2000人ほどのコミュニティが 存在するが、クルド人が難民認定された例はこれまでないに等しい。そして、本作の企画が動きだした2017年 当時より、出入国管理及び難民認定法(入管法)を巡る状況は、悪化の一途をたどっている……。
 
この現状を、17歳の少女の目線を通して描いたのは、是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」に在籍する新鋭・川和田恵真監督。イギリス人の父親と日本人の母親を持つ監督が、成長過程で感じたアイデンティティへの想いを元に、理不尽な状況に置かれた主人公が大きな問題に向き合う凛とした姿をスクリーンに焼き付け、本作を企画段階からサポートした是枝監督の『誰も知らない』(04)の系譜に連なる“日本の今”を映し出した。

公式webサイト(https://mysmallland.jp/)より引用

クルド人は、”国を持たない世界最大の民族”といわれています。その理由は、トルコ、イラン、イラク、シリアの4カ国にまたがる地域に分かれて暮らしているから。
クルド人はこれらの地域で繁栄したが、16世紀にオスマン帝国がクルド人の居住地の大半を占領したことで、土地を失う。さらに第1次世界大戦でオスマン帝国が破れると、クルド人も打撃を受けた。
戦後の1920年のセーヴル条約では、オスマン帝国が分割され、連合国はクルディスタンの独立を認めた。これは高まりつつあったクルド民族主義運動の勝利であったが、セーヴル条約は破棄され、批准されることはなかった。結局、トルコは連合国と再交渉を行い、1923年に新たに結ばれたローザンヌ条約によりクルディスタンの自治計画は廃止される。その後もクルド人国家の樹立に向けた試みはあったが、成功していない。

トルコでは、クルド人は最大の少数民族であるが、国からクルド語の禁止などの弾圧を長年にわたって受けてきた。これに対して、激しい分離独立運動とトルコ軍との衝突が今も続いている。

参考:クルド人はどんな人たち? 4カ国に暮らす理由

 
このようにトルコからの弾圧が理由で逃げてきたクルドの方々が日本でも暮らしています。この映画の舞台は私の地元なので、実際に多くのクルドの方々が生活をしていることも目にする機会が増えました。
しかし映画でも描かれているように、現状日本で難民認定をされるのは難しく、認定率は1%に満たないとのことです。
参考1:難民認定率、日本はたった0.2%。日本が難民受け入れに厳しい理由とは
参考2:『マイスモールランド』が映す、日本の難民問題と人々の「無関心」。川和田恵真監督に聞く

在留資格を失うと、居住区(映画では埼玉)から出られず、働くこともできなくなります。しかし現実的に働かないなんてできないですよね。。
映画の中では在留資格を失った父マズルムが働いてはいけないという就労規則を破り生活のために働いてしまい、入管施設に収容されてしまう描写があります。
昨年、スリランカ人の女性が名古屋出入国在留管理局の施設の中で亡くなってしまうというつらいニュースを思い出しました。
 
私の地元の川口は、埼玉の工場地帯(鋳物で栄えた町)なので、小さいころから沢山の外国出身の方が働きにきていました。
フィリピン・ガーナ・中国・韓国など沢山の国の方がいて、最近はネパールやベトナムからの方も多いです。
保育園のとき、ガーナ出身の友達が不法滞在で強制送還されてしまったのを今でも覚えています。色んな事情があって、そこに生活している人がいるのだから、なんとかみんなが安心して過ごせるようにはならないものかと、考えながらも何もできない自分に嫌気がさします。
今回「マイスモールランド」を観ることが出来、なんとなく海外の方増えたよなぁという漠然としたものから、実際にその方々の生活を想像することが出来ました。
世界では色んなことが起こってるけど、それは日本も例外じゃないと、自分に何ができるのか、とより考える機会になりました。
まずは、今自分の町でどんなことが起きていて、どんな人がなぜ暮らしているのか、もっと知りたいと思います。
 
 

※現在川口市のMギャラリーでは、クルド人の今をテーマにした写真展も開催されています。

「世界難民の日写真展 トルコから日本へ・クルド人の今」
Photo:Refik Tekin / 鈴木雄介 / 横関一浩

2022年6月14日火曜日ー6月20日月曜日
10時-18時(最終日は14時まで)
入場料 無料
会場 Mギャラリー川口

→ 鈴木雄介さんのWeb
Refik Tekinさん


鈴木雄介 「羊飼いの女の子たち」2015年トルコ、シリア国境の街レイハンリ

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