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システム Edit : 2025.07.01 Update : 2025.07.01
【Windows】共有フォルダにアクセスできない。― SMB署名強制後の互換設定ガイド

【Windows】共有フォルダにアクセスできない。― SMB署名強制後の互換設定ガイド

症状と背景 ― 何が起きている?

2025 年春のWindows 11 24H2/Windows Server 2025 では、SMB 署名がデフォルトで「必須」に引き上げられました。これにより署名をサポートしない古い NAS や Samba 4.13 未満の Linux サーバーへ接続すると、「ネットワーク エラー 0x80070035 – パスが見つかりません」などのメッセージが表示され、共有できない状態になります。


SMB署名とは?

  • SMBパケットに電子署名を付与し通信改ざんを防止
  • NTLM Relay 攻撃やセッション ハイジャックを抑止
  • Windows 10 までは SYSVOL/NETLOGON のみ必須だったが 24H2 以降は全面強制

対応方針を決めるチェックリスト

内容
1. 重要データ? 署名を有効化(推奨)
2. 機器が署名対応か? NAS ファーム更新/Samba 4.18 以上
3. 社内LANのみ? 一時的に無効化可/ゼロトラストは不可

推奨ルート:サーバー側でSMB署名を有効化

1. 事前チェック

内容 例(期待結果)
Samba バージョン確認 smbd --version → 4.13 以上
デフォルト署名設定確認 testparm -s \| grep "server signing" → 未設定
アップグレード可否 4.18 以降推奨/古い RHEL 系は注意

2. smb.conf を編集

2-1. バックアップ & 編集

  • sudo cp /etc/samba/smb.conf /etc/samba/smb.conf.bak_$(date +%F)
  • sudo nano /etc/samba/smb.conf

2-2. [global] セクション追記

補足: 各パラメータの意味

server signing = mandatory: 署名無しパケットを拒否して改ざんを防止。
smb encrypt = if_required: クライアントが暗号化を要求した場合のみ SMB 暗号化を有効。


3. 設定ファイルの構文チェック

  • testparm を実行し OK を確認
  • [global] に server signing = mandatory が表示されていること

4. Samba サービス再起動

  • Debian/Ubuntu 系: sudo systemctl restart smb nmb
  • RHEL 系: sudo systemctl restart smb.service
  • 業務時間外の実行を推奨(瞬断が発生)

5. クライアント側で署名状態を確認

5-1. Windows 11 PowerShell

  • 共有にアクセスした後 Get-SmbConnection を実行
  • SigningRequired = True を確認
  • False の場合は旧セッション → klist purge 後に再接続

暫定ルート:クライアント側で「必須」→「任意」に戻す

1. グループポリシーで変更

  • gpedit.msc 起動 ★キャプチャ
  • コンピューターの構成 > Windows の設定 > セキュリティ設定 > ローカル ポリシー > セキュリティ オプション へ移動
  • Microsoft network client: Digitally sign communications (always)」を無効に設定
  • gpupdate /force で即時反映

2. PowerShell ワンライナー

Windows 11 Home でも GUI 不要で即座に切り替えられます。★キャプチャ

注意:ドメイン環境では再起動後に GPO で上書きされる場合があります。署名を完全無効化するとセッションハイジャックのリスクが上昇します。


6. よくある Q&A

NAS が古くてファームが出ていない…

オフライン用途ならクライアント側無効化で凌げます。インターネット同居 LAN では VLAN 分割を推奨。

パフォーマンスが落ちた

署名有効化で 5–15 % 低下の報告あり。AES-NI 対応 NIC なら影響は軽微です。

ドメイン外の PC だけ繋がらない

その PC のポリシーだけ「必須」になっている可能性があります。手順 5-1 を確認してください。

SMB1 を有効にすれば?

SMB1 は既定で無効化済みかつ脆弱性多数。最終手段としても推奨しません。


セキュリティと可用性のベストバランスを

SMB署名の強制は「攻めのセキュリティ」を実現するための不可避な流れです。しかし業務が止まっては本末転倒なので、まずはサーバー/NAS 側をアップデートし、それが難しい場合のみクライアントで署名必須を緩和するステップを踏み、安全性と業務継続性を両立しましょう。

こちらがトラブル解決のお役に立てれば幸いです😊

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編集者:コウ

年間20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍