Web戦略の手法の1つである競合調査について、Webサイト制作に活かすという視点からまとめていきます。
Webサイトを制作する際には、まず初めに、ユーザへ何をどのように届けたいのかを考える必要があります。市場調査・競合調査を行いデータを分析し、Webサイト制作に活かすことでより世の中のニーズに解像度を合わせた提案が可能になります。
まずは競合調査の方法、そして得られたデータをWebサイト制作へどのように活かすのかを順を追って紹介していきます。
市場調査とはユーザーのニーズや市場の動向を調べることです。
競合調査とは同じような製品やサービスを展開している企業の情報を調べて比較することです。調査の目的によって、比較する項目が異なります。
Webサイト制作においては、サイトの新規立ち上げの際や、リニューアルなどサイト改善をするタイミングで行われます。
市場調査の結果、市場規模やターゲット層のニーズなどが把握できます。
その後、狙っている市場の中で他社と比較し競合調査を行います。自社の立ち位置(Positioning)を明確化することで、競合他社との差別化を図り、自社の商品やサービスを有利に展開することができます。
競合調査の際には、事業の成長が望めそうな、市場の中での自社の立ち位置を見つけることが重要です。
<出典:Webサイトの競合調査とは?目的設定と分析フォーマットを使ったやり方 | Webマーケティングツール『ferret One』より> https://ferret-one.com/blog/btob-siterenewal06
競合調査によって、他社を利用しているユーザーの年齢や性別、興味を持っているキーワードなど様々な情報が得られます。そのデータを自社のコンテンツ制作に活かすことで、より精度の高い訴求が可能になります。
また、使い勝手が悪いなど、競合サイトの問題点も洗い出しておくことで、自社のWebサイト制作に活かすことができます。
競合調査で分かる事はこちらの競合との比較表のようなものに記入して可視化すると良いでしょう。
下で紹介するツールを用いてデータを取得していくことが可能です。
他社の製品やサービスがどのように展開されているか、Webサイトを分解します。
下記の項目のような、重要な部分を抜き出し、表にして比較することで差別化できるポイントが明確化します。
アクセス数とは、閲覧されたページの延べ数を表すPV数(ページビュー数)や、サイト訪問から離脱するまでを1としたセッション数などがあります。
何を指標にするかにより調べる方法が変わり、競合サイトへのアクセス数は、ツールを使用して調べることが可能です。
競合サイトのアクセス数が多いということは、ニーズが多く開拓の余地がある、ユーザー層に違いがある、コンテンツに魅力があるなど様々な理由があります。
流入経路とは、どこからサイトへ訪問したのかを表し項目は以下などがあります。
どの流入経路で、目標としているゴールにユーザーがたどり着いているのかを知ることによって、集客への道筋を考えます。成果を出している競合サイトがどの様な施策で集客を行っているか参考にしましょう。
また、被リンクを多く獲得しているサイトは、Googleからの評価としてサイトの信頼性が向上します。
直帰率、平均滞在時間、平均閲覧ページ数は、ユーザーの興味・関心を示す指標です。
ユーザーの知りたい情報の不足やサイトの使い勝手などの影響で数値が変化します。直帰率高く、サイトの滞在時間が短い場合にはコンテンツの改良を図ります。
競合サイトにどんな検索ワードで流入しているのかをツールを使って調べることができます。
他社のSEO対策への試みが調査できます。他社が使っていない自社特有のキーワードを発見する可能性もあり差別化のきっかけを見つける可能性もあります。
実際の競合調査のやり方から、何をすればユーザが満たされるかを知りWebサイトへの活かす方法までご説明していきます。
自社の製品やサービスに関して、下記の項目が共通する、または近いサイトを競合サイトとして選びます。営業などリアルな現場からの情報をもとに競合サイトを決めることで、より精度が高まる可能性があります。
また、Webサイトのリニューアル・改善の際には、サイト立ち上げ時とは目的やニーズ、市場の動向など状況が変化している点を考えて選定する。
具体的な探し方としては、自社の製品やサービスの調査からのデータをもとに、ユーザーが検索しそうなキーワードを選定します。
選定したキーワードを検索エンジンのサジェストやGoogleキーワードプランナーなどのツールを活用し、上位表示・検索ボリュームなども考慮しながら競合サイトを決めていきます。
前項の「競合調査でわかるデータ」を参考にして、自社の製品やサービスによって調査に必要な項目を選定します。
競合サイトを細かく分解して比較、自社の強みを洗い出し、自社Webサイトに必要なコンテンツを決定する。また、自社のポジショニングを行い方向性の確認をする。
フレームワークとは思考の枠組みのことで、課題を整理し問題解決に向けての最善の方法を見つけるために活用されます。
簡単にいうと、型に当てはめて考えることで、迷わずに論理的に思考を可視化できるようにする方法です。
ここでは、Webサイト制作で活用できるフレームワークをいくつかご紹介します。
STP分析とは、英語の頭文字からなっています。
セグメンテーションで市場の全体像を把握し、ターゲティングでその中から狙うべき市場を決定し、ポジショニングで競合他社との位置関係を決定、ユーザーの行動を客観的に把握し、それに応じた事業展開を行うことが、STP分析をより有意義にします。
4Cとは顧客の考えを表したもので、英語の頭文字からなっています。
4C分析を行う際には、精度を高めるためにSTP分析が欠かせず、STP分析ができていない状態では正確な4C分析は行えません。
市場を細分化して絞り込み、自社製品やサービスを必要とするニーズを熟知してから4C分析を行うようにしましょう。
SWOT分析こちらも英語の頭文字からなっています。
自社の強みと弱みだけを洗い出すだけでなく、外的要因から生まれるチャンスや機会損失の可能性を客観的に分析できます。
自社のポジションのリストアップをさらに踏み込んで考える際に有効です。
<出典:中小企業向け補助金・支援ポータル ミラサポplus|経済産業省より> https://mirasapo-plus.go.jp/hint/16748/
バリューチェーンとは事業を分類して機能ごとに競合と比較していくことです。
自社の強みや弱みなどの課題を洗い出すことで、戦略が立て易くなります。
バリューチェーン分析では、原料の調達から顧客に商品が渡るまでの一連の流れを「物の連鎖」と「価値の連鎖」の2軸で分析し、どの工程で高い付加価値が生み出されているのかを明らかにします。 具体的には以下の4ステップで分析を実施します。
VRIO分析とは市場拡大のチャンスや顧客満足度の上昇に繋がる分析が可能で、こちらも英語の頭文字からなっています。
下記の4項目からそれぞれの活動を分析し、解決すべき課題や重点的に取り組む優先順位、今後の戦略などの経営資源を見つけ出していくもの。
一般的なVRIO分析では、「価値、希少性、模倣可能性、組織の順番」で分析を行います。この4つの要素から、強みをそれぞれ分析していきます。また、VRIO分析のやり方としては、表を作成して各担当者に記入してもらう方法が一般的です。
情報が溢れる世の中で、Webサイト制作においても差別化を図ることが難しくなっています。
顧客目線になるといっても、ユーザーのインサイトまでを考えることはなかなか簡単にはいきません。
競合調査などから得られる確かな情報をもとに、ユーザがどんな情報やコンテンツを求めているかをリサーチしコンテンツの企画へ役立てましょう。
今回の内容を踏まえ、競合調査の際に役立つ、便利なツールを使用してみるのもおすすめです。
KOHIMOTO LABO
WebプロダウションKOHIMOTO Inc.が発信を通して成長していくためのラボ🧪 IT企業出身。世界中の人へ発信できるWebサイトを通じて、社会がより良い方向へアップデートしていく為に日々学び、技術を生かしていきます。
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