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CULTUREMUSICTHINKING Edit : 2022.07.18 Update : 2023.06.14

aespaの全米デビューを機に、k-popが世界で飛躍できた理由を考えてみた。

aespaは平均年齢20歳の女の子4人+アバターで構成されているK-popガールズグループです。

そんなaespaが、7月8日に出したセカンドミニアルバム「Girls」で米ワーナーレコードと契約を交わし、本格的にグローバル市場攻略に乗り出す形になったと発表されました。


世界中で人気を博し続けるK-pop

k-popは今や世界中で人気ですよね。
昨年BTSは米ビルボードで1位となり、BLACKPINKはアルバムが米iTunes含め44カ国で1位となりました。
k-popの市場は前年比95%(約2倍)とすさまじい成長率です。*

なぜ韓国の音楽カルチャーは世界レベルになれた?

理由①:ターゲットを初めから世界に設定している

韓国音楽は市場が小さい(k-pop初期である2007年は日本の1/25。日本=351億500万ドル、韓国=14億400万ドル)のではじめから世界市場をターゲットに設定しています。
USシーンの世界チャートへの影響度は高いので、そこにランクインすれば世界で名を派す事になります。
チャートの上位はヒップホップが多いため、楽曲にラップを取り入れている曲も多くあります。
(ビリーアイリッシュやSIAのようなダーク系オルタナティブ?も人気に感じるけど、ダンスとの相性が悪いように感じます。)

理由②:コミュニケーション能力の高さ

芸術性の高いダンスやMVといった非言語コミュニケーションと、メンバー達の英語の二刀流でファンを獲得します。
韓国のアイドルはデビューする前に、レッスンの一環でダンス、歌に加えて英語と日本語を勉強します。
パフォーマンスレベルは世界トップに加えて、英語でアイドルに必要不可欠な、ステージの上では最強な私/普段はチャーミングで親しみやすいギャップを世界発信しています。
ほっぺかわ

理由③:業界全体でのトライ&エラー

BLACKPINKなどの成功事例からYouTubeやTikTokなどのノウハウを事務所の垣根を越えてアップデートしていってます。
新曲Girlsではこの部分みたいなちょっと簡単で真似したくなるダンスはTWICEのTTとかluckyのように、二次拡散を意識している気がします。(aespaのTikTokにもこの部分全員上げてる)
多分kpop市場でも海を越えられなかったアイドルは多くいて、その失敗からもメンバー構成、人数、国籍、配置するキャラクター等を研究しながらPDCAまわしていってる印象です。

理由④:一貫したブランディング

まずaespaでいうと、BLACKPINKに倣って衣装やルックスなど女の子受けを狙っているように感じます。
また若い世代に人気のネオカルや自身のアバターなどのメタバースの世界も取り入れていて、Red Velvet(同じSM所属のガールズグループ)に通じる丁寧かつ芯のあるブランディング力を感じます。
MVではBlack Mamba(黒いヘビ)との闘いが行われていて日々何かと戦う現代の女子達のインサイトを投影してるようにも感じる。
ジャケットの作字もカウンターカルチャー感あっててかわいい。

理由⑤:アイドルは流れ星

名コピーが誕生しました。
ここまで人を熱狂させる魅力を1つ上げるのならば、「終わりあるもの」という所だと思います。
普通のシンガーって流行りすたりはあれど始めから自分の終わりを予期している人は少ない中、韓国ではアイドルの寿命は7年と言われています。
理由①~④では戦略的な部分を上げましたが、無くなるものを大事にする人の本能に訴えかけ、限りある若さとエネルギーを惜しみなく放出してる過程に心打たれるのではないでしょうか。


結果、少女たちのバックでプロによる巧みな戦略を感じた。

  • ターゲットへ向けたコンセプトメイク
  • トップレベルのパフォーマンス
  • 拡散は成功事例から学ぶ

など、ビジネスでも活かせそうな要素も多く感じました。
世界進出により、さらに飛躍する彼女らの今後を1ファンとして楽しみにしたいと思います。💘

追記:aespaちゃんのコンセプトメイクは想像をはるかに超えていた、、、👇

*韓国関税庁調べ:音楽関連の韓国で生産されたCDとDVDの輸出額は、2020年の1~11月に約180億と前年同期比で95%増 https://evening-mashup.com/archives/96285
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59981

Yuka Fujimoto

美大にいた頃に画面ひとつで世界中の人と繋がれるWebサイトの機能性やデザインへ興味を持つ。インターンを経てIT企業へ就職し、そこで出会った小日向とKOHIMOTOを立ち上げる。実用的なサイトを追求するディレクター兼デザイナー。ラジオと焼き鳥がすき。