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Edit : 2023.12.06 Update : 2025.01.14
「きみのお金は誰のため」―田内 学

「きみのお金は誰のため」―田内 学

とてもいい本だったので、紹介させてください!

この本の内容を一言でいうと「世界共通の便利な道具(お金)についての紹介本」
だが、単に個人でお金を増やす方法などではなく、社会がどう回っているかを知ることで、その道具をうまく使いながら真に豊かに生きることについて記されてあった。

恥ずかしながら、私自身はお金の知識が全くと言っていいほど無い。
私のようななぜコロナや戦争で株価が下がるのかイマイチよくわかってないレベルの人間にとって、世界とお金の関わりが非常に分かりやすかった。(お金にみたてたトランプのカード数枚を使ってお金に価値が生まれる経緯などが分かりやすく説明されていてかなり助かった。)

この本を読めてよかったと思った理由はお金のシステムを知ることでこの世界をより肯定的に見れるようになったから。

ここ数年、フリーランスから会社を経営する立場になり色々知った気になっている中で、個人的に資本主義に対して「幸せの本質からは遠ざかっているのでは・・・?」というネガティヴに見てしまう視点も少なからずありました。

この本を読んで、お金やこの社会のシステムは本来、皆で助け合い、幸せを共有できるためにできたもので、幸せを遠ざけているのは個人の考え方や不安なのかなぁと思いました。(お金持ちに対する劣等感や不安を促進させるSNSやメディアの過剰な消費システムなど…)
それは個人の考え方や哲学によっても少しは変えていけるのでは、とおもった。(例えば前にweb3の記事で紹介したように、広告を自分が見る見ないを選択するインターネットを利用したり…)

世界をより肯定的にみれるようになって、最後にはとても優しい気持ちになれた。(筆者の方はなんとなく、自分の子供に向けてかいたんじゃないかなぁ…と思った。)

そして、まったく余談ですがOZworldというラッパーのOKUという曲の歌詞を思い出しました。


足るを知る事を学ぶが
人間はそれ以上を求め出す
縁の価値を円で忘れ変になって縁に帰る
愛に始まり恩で終われば
MeがWeに移り変わる


途中でアフリカ支援の一つとして、その国の産業物を売る人が出てくる。その章では”寄付だけではその現地で生活してる人や子どもたちが自立していくのに長期的な支援にならない“という内容が記載されていた。
最近相方である美樹ちゃんといろいろあって「人を助ける事の難しさ」が話題に上がって似たようなことを話たので、色んなことにつながるなぁ…と思った。

自分はなんのために働いてるんだろう?と思う人にも働く意義がより見いだせると思うので、読んでみてほしい本です。


生まれ変わって「お金を稼ぎまくる能力」と「思考する能力」だったら絶対に思考する方をとる。
お金を稼ぐことは手段に過ぎず、思考はその手段をどのように使うか、人生における目標や価値観をどう設定するかを形作る力だから。
幸福の定義は人によって異なるので、思考することで多様な幸福の中から自分にあった幸福を見つけることができ、思考によってたとえ簡素な生活を送っていても精神的、文化的、社会的な豊かさを追求すできるから。(極論、お金もブランド品も無価値になり得る)


また別にひとつ、疑問が生まれました。
個人が皆が頑張れば経済は発展するはずなのに、日本人は勤勉で真面目でなのに発展しない理由はなぜなんでしょうか…少子化もあるのかもしれないけれど、生産力という意味ではAIを味方につけられたら、日本経済は発展する可能性はあるのではないでしょうか。

そういったことを議論したり、新しい疑問を抱かせてくれるという意味でも良本でした。
 

Yuka Fujimoto

美大にいた頃に画面ひとつで世界中の人と繋がれるWebの機能性やデザインへ興味を持つ。インターンを経てIT企業へ就職後、そこで出会った小日向とKOHIMOTOを立ち上げる。ズーキーパーが得意。