ゆか今日は、今映画でも話題になってる小説の「傲慢と善良」です。
みき私たち、辻村深月めっちゃ好きだよね。
ゆかうん、10代の頃からずっと読んできて、この傲慢と善良も発売当初に読んでた。
ゆかまず最初にあらすじを。西澤架は東京育ちの39歳。父親の後を継ぎ、小さな会社を経営している。架が友人たちと飲み会中に恋人の真実が電話で助けを求めてきた。ストーカーが彼女の家に侵入したと言うのだ。慌てて彼女のもとへ駆けつけた。架はこのことをきっかけに真実と同棲を始め、婚約した。架と真実は婚活アプリを通じて知り合った。結婚式の日も近づき、真実は結婚準備のため寿退社。全てが順調に進んでいたはずなのに、真実が突然失踪した。ストーカーによって連れ去られたのではと考えるが、警察からは事件性がないと判断されてしまう。真実の母親と連絡をとり、真実が地元にいた頃に世話になったという結婚相談所の小野寺や彼女を介して過去のお見合い相手などと面会を重ねていくうちに、架は段々と自分の中の真実像と本当の真実の姿の違いに気が付いていく。
みき真実は地方育ちでそのまま大学に進学して、両親が望むまま就職して。親の敷いたレールにそれにずっと沿って生きてきたのが真実っていう人物。
真実が結婚するって決めて東京に出るんだけど、その時にマッチングアプリで出会ったのが架だよね。
ゆかそう、真実は何か恋愛経験とかあんまりなくて、両親が求める「良い子」に育ってきた女の子。
ゆかそれが鼻についた架のキラキラ系の周りにいる女子ととかに悪口いわれちゃうんだよね。
みき架の友達は架と同じ大学出て、バリバリ仕事とかもして英語をペラペラで家庭も持ってるっていう。仲良しグループの女子ね。
ゆかその女友達が、めっちゃ性格悪くて真実のインスタとかを見て「この子もよくやったね」的な悪口を裏で言われたりしてるんだよね。
みきあと、ホームパーティーで真実が気を遣って食器とか気配りをやるのも「上手く立ち振る舞うことで結婚に近づこうとしてるんだね」みたいな。
ゆかそうそう。
みきそう。今映画の試写会のYoutubeで流れてきたんだけど、ヒコロヒーが「人の恋愛に口出してる奴はしょうもねぇ。」みたいなコメントをしてたから、それぐらいちょっと印象に残るキャラ。
ゆかまず第一の感想として、この女友達に何か言いたくなるよね(笑)
みき確かにそれは架と結婚したいからって思ってたからにしてもすごいよね。私だったら他の友達とかに絶対愚痴ったりするから。
ゆかお姉ちゃんとかね。だからいい子なんだよね。そういうとこも含め。
ゆか辻村深月作品を今までずっと読んできて、この物語が辻村深月っぽくないなって思って。今まで真実みたいな人に強く言ったりできないけど、何かを思ったりしてる子の味方みたいな話が結構多かった気がするから。
みきわかる。
ゆかこの物語も、味方ではあるんだけど。この物語って色々な事を肯定してきた辻村深月が初めて「こうすべきだ」っていうのを提示した本だったのかなって思って。
みきなるほどね。
ゆか辻村深月自身が多分、ご結婚されてて子供を持って、その自分の生き方が幸せだったなって思ってるから。それ以外を作者自身は経験してないわけで、自分が結婚をして幸せだったよ。っていうのを伝えかったのかなって思った。
みきすごいわ。もう大ファンすぎて、作者の気持ちを。笑
ゆかそう。笑
みきなるほどね。わかる。笑
ゆかうんうん。
みきそれがさっきの首根っこ掴むじゃないけど、その善良すぎる人物にも活をいれるみたいな。
ゆかうん。「傲慢と善良」を、善良は真実、傲慢は誰々っていう他の人をかくんじゃなくてね。
みきすごい。さすがってなったし、そこを繋げて、傲慢に生きて良いんだぞっていう、最終的には後押しする形では終わっていたよね。
ゆかこの本を借りたのが1年前くらいだったと思うんだけど、話全部忘れちゃってたんだけど、結婚相談所の小野里さんの言葉だけ明白に覚えていて。
みきタイトルに繋がる言葉の中で引用するね。皆さん謙虚だし、自己評価が低い一方で自己愛の方はとても強いんです。傷つけたくない、変わりたくない、高望みするわけじゃなくてただ細やかな幸せが掴みたいだけなのに、なぜ。と。親に言われるがまま婚活したのであっても、恋愛の好みだけは従順になれない。真実さんもそうだったのではないかしら。
ゆか「謙虚だし自己評価が低い=善良」「自己愛の方はとても強い=傲慢」として、真実の中にも善良な部分と傲慢な部分もあるっていう所が、タイトルにもかかってるよね。
みきそうだね。あと、もう一個。ピンとこないの正体は、その人が自分につけている値段です。値段という言い方が悪ければ、点数と言い換えてもいいかもしれません。その人が無意識に自分はいくらとつけた点数に見合う相手がこなければ、人はピンとこないと言います。私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手でなければ私の値段とは釣り合わない。皆さん、自分につけている値段は相当お高いですよ。
ゆかうん、みんな自己愛や自尊心が高い…これって良い事だと思うんだけど。きっとその方が幸せに生きれるし。
みき
これも、その辻村深月が現実を見せてるシーンではあったよね。婚活って私たちの年でも本格的にやるかやらないかは人それぞれだけど、「ピンとくる人がいない」みたいなのってよく聞く言葉じゃん。それを的確に表現しててすごいって思った。
ゆかちょっと話が変わっちゃうんだけど、お見合い相手の2人目に出てきた人で、真実がその人と何を話せばいいか分からなくて「将来、こういう車乗りたいんですよね。外車でカッコいいから憧れてて。」みたいな話をした時に、その人がめっちゃ素直に「あれ外車じゃなくて国産車ですよ。」みたいな感じのことを言って。
みき
この人は顔がすごい端正で、真実は写真を見てすごい綺麗だなって惹かれたんだけど、実際に話してそういう人だったと、描かれてて。
ゆかうんうん。顔は端正だけど、会話とかがスマートではない人?
みき
そう。で、ここではすごい純粋な人だから悪気なく言っちゃうって描かれてるけど、ゆかちゃん的にはそれは違う?
ゆかこの人は本当に悪気がないのはわかるんだけど、私的には何かこれって、鼻毛が出てる人に対して鼻毛出てますよって言うか言わないかみたいな話に似てるなって思って。初めて会った異性の人に対して、鼻毛が出てますよって言う事って別に善良じゃないんじゃないかなって思って。
みき
なるほど、確かに。
ゆかめっちゃ面白い。想像ができる。笑
みき
その先輩は悪気が絶対ないって知ってて、私を傷つけようともしてない。ただ思ったの。だから善良。ここで言うと。
ゆかあぁ、なるほど。ピュアってことだよね。確かにそう思うと善良かも。
みき
でも、もしその先輩がこういう婚活の場において初めて出会った人に、さすがにそのワードは言わないと思うんだけど、
ゆか昔を知ってる。笑
みき
「あれ国産だよ。」とかは言いそうって思って。
ゆか確かに。
みき
そうだね。その人が正しいというのと、私もその人がそれを言うことを認めている・・・?
ゆかそういう関係なら、良い人ではあるのか。なるほど、確かに。
編集者:こひもと
みき+ゆか / KOHIMOTOというWebサイトをはじめとしたDigital Creativeの会社を営んでいます🤝IT企業出身のエンジニアとデザイナーで元同期。hiphopと本とお笑いが共通言語。
INDEX
PICK UP