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Edit : 2025.03.18 Update : 2025.03.20
現代社会では平等は”一体”ではなく”同一”を意味する。「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」を読んだ感想⑤

現代社会では平等は”一体”ではなく”同一”を意味する。「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」を読んだ感想⑤

こちらの記事は、こひもとの読書録#7-2の内容の一部を抜粋し編集を施したものです。よろしければ、以下より全編を聞くことができます。



ゆかこの渡辺っていう主人公の男の子は最初の方では結構普通の青年だったと思う。悪い人とかずるい人よりも批判的思考力がないから、陰謀論とかにハマりやすいのかなって。それで世間から変な目で見られて、孤立する。それは、この漫画に出てきた飯山のお父さんは労働において言っていたけど、「渡辺君のような聡明な人が社会構造の溝にハマらなきゃいけないんですかね。」にも繋がるのかなって。
みき確かに。でもライバルの男性に対してはすごい疑いの目を持って批判してたから、何でそっちのことは批判するのに?とは思った。
ゆかそれは、その男の人が悪者だって信じられたら、自分が飯山さんと付き合えるって思ったからなのかな?
みきそっか。だから、やっぱり自分の都合のいいようには捉えてるのか。
ゆか 飯山さんは立派なお父さんに育てられて、その親の背中を見て生き方とかも吸収してきた。この世界の知識とかも正しく知ることとか。だから社会的体験も多くて、物事を肯定的にも見ることもできるし、それが成功体験とか好奇心に繋がっていくことも多いのかなって思う。
反対に渡辺とかは生まれ落ちた境遇でどう生きればいいかとかも分からず、不安とか不信感が募ったりも左右されるのでは?って考えると、世界は平等ではないよなって。
みきたしかに。でもこの漫画の中では、貧困に関して、陰謀論を信じるのに影響してるかデータとして調査としては出てない、って言ってたよね。
ゆかあ、そうなんだ。見落としてたわ。
みきだから、貧困とかでもまたなく・・・自分を受容してくれる他者がいるか?
ゆか精神的安定なのか?このお父さんにもし渡辺が育てられていたら、こうはならないんじゃないかなって、ちょっと思ちゃった。
みきたしかに。
話飛ぶんだけどこの間、BLUEPRINTっていう冊子の中のインタビューで、ラッパーの唾奇が自分は途中からおばあちゃんに育てられた。おばあちゃんに影響を受けてて、最初からおばあちゃんに育てられていたのと、そうじゃないのとでは人生がまるっきり変わるんじゃないかってくらい、おばあちゃんのことをリスペクトしている。みたいなことかいてあって。

だから育ててくれる人からの、言葉なのか安心感なのか、受け取るもので違ってくるっていうのはあるのかも。
ゆかそうだよね。
例えば家族、親とかじゃなくても、大人?こういうこと聞いたんだけど、どう思う?とか話せる人がいるかとかなのかな。
その自分の思い込みみたいのを、信頼できる人に意見を聞くと、ああ、そういう見方もあるんだ。ってなったりするじゃん。そういうの大事なんじゃないかなって思ったんだけど、それが親っていう存在だと、かなり運に左右される要素ではあるなと思って。
みきそうだよね。だから、それが親だけじゃない。友達とか、唾奇みたいにおばあちゃん、近所の人、親戚のおじさんとかでもいいのかもね。
ゆか人類学の研究で、みんなで子を育てるっていうのが結構普通の民族、その核家族になってない文化の民族を研究してる人が(その民族はうつ病とかがないらしい)親じゃない大人との親しい関わりを6パターン以上を持つと結構均等のとれた人になるっていう研究結果とかもあるらしく。いろんな人と関わることってすごい大事なんだな、って思った。
みきさっきの話で、生まれる境遇とかで左右されすぎちゃうのであれば、そういう関わりを他に増やす社会って言うのはいい社会なのかもしれない。
ゆか確かに。 エーリッヒ・フロムの言葉を思い出したわ。

現代の資本主義社会では、平等の意味は変わってきている。今日、平等といえば、それはロボットの、すなわち個性を失った人間の平等である。現代では平等は「一体」ではなく「同一」を意味する。

でも今は核家族で共働きで、どんどんそれが減っててるから、難しいね・・・












こひもと

みき+ゆか / KOHIMOTOというWebサイトをはじめとしたDigital Creativeの会社を営んでいます🤝IT企業出身のエンジニアとデザイナーで元同期。hiphopと本とお笑いが共通言語。