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手記 Edit : 2025.09.04 Update : 2025.09.04
レヴィ・ストロースの構造主義的にみる「Web3」

レヴィ・ストロースの構造主義的にみる「Web3」

なぜWeb3をストロースで語るのか

レヴィ=ストロースは、神話や文化を「ただの物語」ではなく、その裏にある構造として読み解いた人でした。 その視点を借りると、Web3が生み出している物語の奥にある「人間の共通する欲望やパターン」が見えてくるのではないか?と思い調べてみました。

Web3は「お金やテクノロジーの仕組み」だけの話ではありません。そこには、新しい社会のルールや価値観を語る物語があります。 思想の視点を持ち込むと、こうした動きをテックニュースとして追うだけでなく、もっと深い背景が見えてきます。


🌐 Web3をストロース的に捉える視点

1. 二項対立の構造

レヴィ=ストロースは「自然/文化」「生/死」といった二項対立をもとに、神話の深層構造を読み解きました。 同じように、Web3の世界にも象徴的な二項対立が見えてきます。

  • 中央集権(Web2) vs 分散(Web3)
  • 仲介者への信頼(国家・銀行・企業) vs コードによる自動執行(スマートコントラクト)
  • データを提供するユーザー vs データを所有するユーザー

👉 つまりWeb3は「新しい神話」を描き出し、既存の対立を別のかたちに書き換えていると言えるのです。


2. ブリコラージュとしてのWeb3

ストロースは「ブリコラージュ(寄せ集めの組み合わせ)」を文化の生成原理としました。 Web3もまさにブリコラージュ的です。

ステップ 内容
1. 所有と文化の再編集 NFT(所有+アイデンティティ+コミュニティ)
2. 組織と合意の再設計 DAO(組織+合意形成+コード)
3. 貨幣と契約の自動化 DeFi(貨幣+契約+自動化)
4. 寄せ集めの装置化 Web3全体=ブリコラージュ的文化装置

👉 Web3のプロジェクトは、ブリコルール(工作人)が手元の素材を組み合わせて新しいものを作る実験のように見えます。


3. 神話の再編としてのWeb3

神話は文化によって姿を変えながらも、背後に共通の構造を持っています。 Web3が生み出す物語も同じです。

  • 中央に依存しない自由という物語
  • コードが法になるという物語
  • 個人が主権を取り戻すという物語

これらは神話的な物語であり、プロジェクトごとに少しずつ姿を変えて繰り返されています。
👉 ストロース的に言えば、Web3のムーブメントは「現代の神話体系」を構築しているように思えます。


まとめ

ストロースの視点でWeb3を見ると、それは「正しい/間違っている」と評価する対象ではありません。
むしろ大事なのは、次のような問いかけです。

  • Web3は、どんな対立の関係を組み替えているのか?
  • Web3は、どんな物語の型を繰り返しているのか?
  • その背後にある深層構造は、人類が昔から抱えてきた「自由」「共同体」「所有」といった願望とどう結びついているのか?

Web3を考えることは、最先端のテクノロジーを追うことと共に「私たち人間が繰り返していくパターンを読み解くこと」に繋がるのかもしれまない…と考えると面白いです🌎




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編集者:コウ

年間20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍