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手記 Edit : 2025.09.08 Update : 2025.09.08
遺伝子的に”善”に向かう、人間の高度な神経回路とは?

遺伝子的に”善”に向かう、人間の高度な神経回路とは?

前回の記事で、「ウミガメは生まれてすぐ海に向かう」ような行動は、いわゆる 遺伝的な記憶(本能行動 / innate behavior) と呼ばれる現象についてまとめました。


ここからは「人間に特有」と言える 社会性・言語に関わる高度な神経回路に絞って、DNAレベルでどう設計されているのか、詳しく調べてみました。


1. 語習得の基盤(普遍文法仮説)

赤ちゃんは生まれた時点で「世界中どの言語にも反応できる」状態になっており、おおよそ10歳前後までに言語入力がないと習得が難しくなります。

🧬DNAとの関係:FOXP2遺伝子などが言語回路の発達に深く関わっていることが分かっています。

2. 共感とミラーニューロンの回路

他人の行動を見ただけで、自分の脳でも同じ神経活動が起きる。模倣学習(真似ること)、共感(他人の感情を理解すること)はコミュニケーションと人間関係の形成、文化の伝承に不可欠だからです。

🧬DNAとの関係:社会性に関わる遺伝子(例:オキシトシン受容体遺伝子)が働き方を調整。

3. 愛着と社会的結びつきの回路

親子やパートナーとの「愛着」が形成されるとき、オキシトシンやドーパミンが分泌され、安心や快楽が強化されます。これによって群れを作り、長期的な協力関係を維持できるのは人間の大きな特徴。

🧬DNAとの関係:オキシトシンやバソプレシンの受容体をコードする遺伝子多型によって、社会的行動の傾向に個人差が出る。

4. 道徳・社会規範を支える”善”に向かう回路

人間は本能的に「他者の視点を想像し、罪悪感を持ち、協力する」能力を備える。それにより、宗教や言語と組み合わさり「ルール・文化・倫理」を形成できる。

🧬DNAとの関係:セロトニントランスポーターやドーパミン関連遺伝子が、衝動制御や規範意識に関与。

まとめ

これらは「人間の社会性」と「言語能力」を支える高度な神経回路であり、DNAの設計図として受け継がれています。ただし実際には 環境・文化・経験 が必須で、初期設定(遺伝)とアップデート(学習)が組み合わさって完成します。

個人的には、最後の「善に向かう回路」が、資本主義の経済合理性を重視した社会基盤と合っていなくて、現代人に苦悩を引き起こしてる回路なんじゃないかな?と思いました。

なので、次の記事で、なぜ人は遺伝的に共通善へと進むようになったのか、また真理を追究するのか。という事を掘り下げていきたいと思います。





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編集者:コウ

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