デジタル時代の法制度① なぜいま、デジタル視点で憲法を学ぶのか🐥
「スパイ防止法ができると推し活ができなくなるらしい」――このフレーズ、キャッチーだけど、結論から言うと推し活が直接禁止されると決まった事実はありません。
2026年3月に政府が国家情報会議(+国家情報局)を新設する法案を閣議決定・国会提出し、今後「スパイ防止関連法」などを議論していく流れがあるので、関心が集まりやすいのも確かです。
現在閣議決定されたのはあくまで「組織を作るための法律」であり、何を罪とするかを決める「スパイ防止法」自体の条文はまだ出ていません。自民党の重点政策「Jファイル2026」では、スパイ防止関連法や外国代理人登録法(FARA)の検討が明記されていますが、政府は「2026年夏頃に有識者会議を立ち上げ、議論を開始する」方針としています。
新設される国家情報局の任務に、SNSなどを用いた「外国勢力による影響工作(インフルエンス・オペレーション)」への対処が含まれているためです。ネット上の特定の動向を分析する過程で、「一般のファン活動(推し活)も監視対象になるのでは?」というプライバシー保護の観点からの不安が広がっています。
NSCは、外交・安全保障の重要課題を首相中心に審議して、国としての方針を決める司令塔です。
一方、今回の法案で出てくる国家情報会議は、ざっくり言えば意思決定の材料=インテリジェンスを束ねる司令塔らしいです。各省庁の情報を集約・分析し、中長期の情報戦略につなげる設計です。事務局として、内閣情報調査室(内調)を発展的に改組した「国家情報局」を置く、と説明されています。
ここが境界線の本丸です。
内閣情報調査室(内調/CIRO)自身の説明では、新聞・通信社・ネットなどの公開情報(OSINT)に加え、専門家との意見交換や衛星画像なども使い、政府内の情報コミュニティを取りまとめて集約・分析・評価する、とされています。
この範囲は一般に「情報分析」と呼ばれ、推し活の投稿やファン活動を見張ることとイコールではありません。
「国民監視」について。上記の条件が重なると、監視への不安が跳ね上がります。日弁連は、インテリジェンス機関の監視権限には厳格な制限と独立した第三者監督が必要だとし、外国代理人登録制度にも慎重論を示しています。
キャッチーなタイトルでも信頼感を出すなら、読者に「判定軸」を渡すのが強いです。
参考として、特定秘密保護法の政府Q&Aでは「処罰対象は限定的」「通常の取材は正当業務」といった線引きを明示しています。
どんな法制でも、境界線は条文と運用のセットで作られる、という見方を持つと良さそうです。
編集者:コウ
年間20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍
監修者:Yuka Fujimoto
Webディレクター。美大在学中に、画面ひとつで世界中の人と繋がれるWebの可能性やデザインへ興味を持つ。インターンを経て就職したIT企業で実務経験を積む。肉より魚派🐟
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