ゆか校長先生と湊が音楽室で話した言葉はやっぱり重要なシーンだったのかなって思って。
みきわたしの解釈では、文字通りの「誰にでも手に入る幸せ」が「幸せ」なのではという解釈。
ゆか確かにそうだね。「誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない」っていうのは?
みきそれはここで言うと、湊のお母さんが言っていた「普通の家庭」の事だと思う。
ゆかその会話の後に本には、湊がその言葉が今は理解できなかったけど、きっと大人になったら理解できるのかな、みたいな感じで書いてあったよね。何か、背中を押される言葉みたいな。
みきそうだね。湊を勇気づける言葉であったっていうのは間違いないと思う。
ゆかそれに加えて、しょうもないって繰り返すことで、もはや「幸せ」っていう概念自体に捉われることがしょうもないって言うニュアンスもあるんじゃないかな?って感じた。
みきそれもあると思う。
ゆかそう思うと、校長先生っていい人なんじゃない?
みきうん。でも伏見校長はどんな人だったんだろうっていうのは明示されてなくて、このストーリーの中で。学校のメンツを守るために先生とか親にはあんな態度とか取れるんだとか。子供に足を引っかけたり何だったんだろうとか。
ゆか確かにね。なんか、学校のメンツを守るためと、もしかしたら湊が嘘付いてる理由が複雑だぞってちょっと気づいてたっていう説もあるよね。
みきそれだったら、この映画の「第四章 伏見校長」みたいのがあったら、めっちゃいい人じゃんってなったかもしれないね。
ゆかうん。小説には伏見校長は「本当は孫と一緒のお墓に入りたい」って思ってた、とかちょっと細部まで描かれてたから、よりそう思ってしまうのかもしれない。
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誰かにしか手にはいらないものは幸せって言わない。しょうもない。誰にでも手にはいるものを幸せというの。
幸福かと訊かれたら、
誰だって、戸惑い、ためらう。
幸福は答えではないからである。
幸福は状態でないからである。
感情でなく価値でないからである。
幸福は定義だからである。
長田弘『誰も気づかなかった』より
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編集者:こひもと
みき+ゆか / KOHIMOTOというWebサイトをはじめとしたDigital Creativeの会社を営んでいます🤝IT企業出身のエンジニアとデザイナーで元同期。hiphopと本とお笑いが共通言語。
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