映画『ANORA アノーラ』は、ニューヨークでストリップダンサーとして働くロシア系アメリカ人のアノーラ（通称アニー）が、ロシアの大富豪の息子イヴァンと出会い、彼の帰国までの7日間、1万5千ドルで「契約彼女」として過ごすことになります。 二人は贅沢な日々を送り、ラスベガスで衝動的に結婚しますが、イヴァンの両親は息子が娼婦と結婚したと知り、猛反対。彼らは結婚を阻止するために行動を起こし、アノーラとイヴァンの関係は試練を迎えます。
この作品は、現代のシンデレラストーリーの裏側を描き、階級差や偏見、そして自己決定の重要性を浮き彫りにしています。アノーラの強さと人間らしさが、観る者の心を打つドラマです。
ゆか恋愛映画かと思いきや、資本主義の不平等さが書かれているって友達から聞いて、見てみたいなって思って。意外と笑えるシーンが多かった。
みきアノーラは竹を割ったような性格なんだよね。
ゆか一緒にイヴァンを探す屈強な男の人たちにも強い言葉とか使ってて、珍道中みたいな感じで笑えた。
みき全部なのかわからないけど、iPhoneのカメラで撮影してた？喧嘩のとことかリアルで画面に酔った。
ゆかアノーラって娼婦だったの？
みきストリップダンサーだよね。
ゆかうん。あらすじに「娼婦」って出てきたけど娼婦ではなくない？って思った。
みき夜の仕事の中で、暗黙でどこまで延長とさせるかは人によるのかな。
ゆかイヴァンとお金で契約もしてたから、娼婦っていう説もあるのか。
みき日本でもパパ活とかご飯だけなのか、どこまで対応するかは人それぞれみたいな。
ゆかなるほど。グレーゾーンなのか。
みきそうだね。正式な英語は分からないんだけどアノーラのことを、イヴァンの家族たちは「娼婦」って呼んだり、イヴァンは「エスコートガール」と呼んでいて、それぞれの呼び方でその人がどういう風にアノーラを見てるのかっていうのが描かれてた気がするな。
ゆかいずれにしても、彼女を職業で示している。でも日本では、キャバ嬢やAV女優がインフルエンサーやモデルみたいになったりしてるじゃん。夜職でもちょっと印象が変わってきてるのかなって思った。
みきSNSが影響してそうだよね。
ゆか綺麗な面だけ切り取ってプリンセスのような感じで見せることによって、その産業が栄えるというのは一理あるかも。
みきかわいい服とか憧れのブランドとか持ってたら、うらやましいってなるのは分かる。
ゆかでも実際やってる事は若さを売って男性を相手にしてて、その延長線上として性産業とかがあるのに、そこを隠してキラキラさせて女の子に憧れを持たすのって、どうなんだろう。
みきうーん、今の大河で吉原の世界を描いてて、見てる限りはやりたくてすすんでやってる感じではなさそう。身寄りがない女の子や男の子の受け皿的な産業として暗黙で認められてたみたい。職と住むところはあるから。病気とかにもなっちゃうし。
ゆかそうだね。でも、そういう方たちがいてくれるおかげで性犯罪少なかったりもする？韓国は確か風俗がなくて性犯罪が多いみたい。
みき色々影響してそうだね。歴史の中の辿ってきたものと、その今の日本とかでも見え方はちょっと変わってそうだね。
ゆかそうだよね。そもそもなんでダメなんだ？って思って。みきそこらへんの価値観とかも、今後も結構変わってはいきそうではあるよね。
みき最近思うのは、性産業だけに限らず最近の芸能界のニュース見て思ってたんだけど、自分が消費される対象になる仕事の辛さってあるのかなって。
ゆかうん。
みきそして消費されるっていう事に慣れすぎると、自分も他人にそういう態度とか取る可能性があるのかなって思って。
ゆか確かに。例えば、男の人からお金をもらってお酒を飲むのが当たり前の価値観だったら、人間同士で仲良くなれたり繋がれたりする異性の友達だっているはずではあるのに、その人に対して「今、時給発生してないんだ。」みたいな。
みきそうそう。相手との関係も消費的に捉えてしまったり。
ゆかその側面は多分あるよね。若さとか可愛いとかって他人から付けられた価値が、自分の年齢がどんどん上がってって他者からの評価的価値がなくなっていくと、自分でも価値がないって思っちゃったり。
みきうん。
ゆか人の価値って自分自身に付随していて。消費できるとしたら自分で自分を１００年かけて消費していけばいいのに、あまりにも他軸だとそう思えなくなっちゃうのは分かる。
みきそういうことなのかなって思ったりして。色んなリスクが大きいのかなと。
ゆかそうかも。なんでダメなんだろって考えちゃって、自分もそこに絶対偏見がないよって言えなくて。多分今話したようなことが関係してる気がする。自分の娘がそれを選びます。ってなった時に「大丈夫？」ってなったり。
みきまず、体のリスクもあるしね。
ゆかそうだよね。
みきでも、すごいプライド持ってやりたくてやってますって言われたら、止められるかは分からないけど、今みたいなリスクには注意してねとか言うかも。
ゆかそうだね。自分がやりたいことにお金が必要だったりするなら貯めるまでやるとかなら大丈夫かもね。
みき一方で、大胆さみたいな。それでも堂々としてる事への憧れみたいなのも少しあるかも。
ゆか分かるよ。社会的にそういう目を向けられても「別に、自分はこうだから」みたいな。アノーラからはそういう雰囲気も感じたな。
みきうん、格好良いと思ったよね。
編集者：こひもと
みき＋ゆか / KOHIMOTOというWebサイトをはじめとしたDigital Creativeの会社を営んでいます🤝IT企業出身のエンジニアとデザイナーで元同期。hiphopと本とお笑いが共通言語。
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