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SYSTEMWEB Edit : 2022.08.13 Update : 2023.12.07

企業HPを運用する際のサーバー選びのポイント

企業でHPやECサイトを作ろうとなった時、HPをインターネット上で公開するために必要不可欠になるのがサーバーです。
はじめに、サーバーには自社で所有するオンプレミスと、レンタルサーバーの2つの方法があります。
オンプレミスは、会社の建物内にサーバを設置し管理することから、セキュリティ面やカスタマイズ性に優れていますが、その一方、サーバーを運用することへの専門知識や、障害への対応、また経年劣化への対応や運用コストなどが必要となります。
このような作業をサービスの運営会社が行なってくれるのがレンタルサーバーで、最近では企業によるレンタルサーバの利用率も増えています。そこで今回はレンタルサーバーの種類や選び方について、解説していきたいと思います。

*レンタルサーバー=共用サーバー、専用サーバー、VPSの3つとクラウドサーバーで分けて説明されることが多いですが、ここでは並列で説明します

サーバーの種類



各サーバーの特徴

特徴 費用 専門知識 メリット デメリット
共用
サーバー
1つのサーバーをみんなで借りる 安い 不要 低コストで専門知識いらず ・他利用者のアクセス制限等を受けてしまう
・管理者権限がないのでカスタマイズは不可
専用
サーバー
1つのサーバーを丸々1つ借りる 高い 必要 ほかの利用者の影響を受けず安定的な運営が可能 ・個人で契約するには費用が高い
・サーバー設定や運用が自己管理になり専門知識が必要
VPS 1つのサーバーを仮想化して専用サーバーのように使う 安い 必要 低コストかつカスタマイズ性も高い ・サーバー設定や運用が自己管理になり専門知識が必要
クラウド
サーバー
サーバーの容量やCPUを自由に割り当てられる 高い 必要 アクセス数に応じて自由にカスタマイズできる ・従量課金制の場合月々の支払がわかりにくく専門知識も必要

 
費用感と手軽さだけを比較するとこのような形になります。
 

 

特徴の詳細

1.共用サーバー

複数のユーザーが1つのサーバーを共有する形態をとります。共用サーバーはよく、シェアハウスに例えられます。
例)さくらのレンタルサーバー/エックスサーバー/【GMO ペパボ】ロリポップ!レンタルサーバー等。



 

メリット

契約と同時に、複雑な初期設定など不要で使い始めることが可能です。選ぶサーバーによっては、メールアドレスも取得できますし、Wordpressも管理画面からインストールすることが可能なので、サーバーの専門知識がそこまでなくても、簡単に使い始めることが可能になります。

デメリット

一方、一つのサーバーを複数のユーザーで使うために、他ユーザーの環境に大量アクセスがあった場合など、自分の環境の状況に関わらず影響を受けてしまうことがあります。
そのため、大量アクセスが見込まれるサイトや、一時的にでもサーバーが落ちる事があってはならないサイトを制作する場合には、選ぶことに慎重になる必要があります。

・サーバーの設定や管理は、サーバー運営会社に任せたい
・急激なアクセス増などが見込まれない、小〜中規模サイトを検討中
・ひとまず早く、運用費も安くサイトを運用をしはじめたい

 

2.専用サーバー

物理的に一つのサーバーをユーザーが専用できる形態をとります。専用サーバーはよく、一戸建てに例えられます。
例)KAGOYAマネージド専用サーバー /GMOクラウド 専用サーバー等。
 

 

メリット

サーバーの管理者権限を持ち、サーバーのCPUやメモリなどを専用することができます。
そのため、他ユーザーの環境を気にすることなく、安定したインターネット回線を利用することができます。管理者権限もあるので、用途に応じたソフトウェアのインストールも自由に可能になります。
また容量も大きくスペックも共用サーバーより高性能なことが多いので、アクセス数が多いサイトや画像が沢山あるサイトの運用も安定して行えます。

デメリット

一方、サーバーを一台用意するため、契約から利用開始までに時間がかかる場合や、初期費用がかかってくる場合も多くあります。
また、共有サーバーで既に搭載されているようなOSやアプリケーションを自分で選択したり導入する必要もあるので、専門的な知識が必要になります。

・他のユーザーの影響を受ける事なく、常に安定したサイトを運用したい
・企業独自のセキュリティポリシーを設定しており、サーバー内の不要なサービスを停止する等カスタマイズしたい
・大量アクセスが見込まれるサイトを運用するが、ピーク時もクラッシュすることない運用を希望

 

3.VPS(仮想専用サーバー)

一台の物理的なサーバーを複数ユーザーで共有する形態をとります。これだけだと共有サーバーとの違いは?となると思いますが、最大の特徴は、複数ユーザーで共有するが、マンションのように自分専用の領域を持っているところです。
例) さくらのVPS/ConoHa VPS/クラウドVPS byGMO
 

 

メリット

共有サーバーではできないがVPSで出来る事としては、サーバーのOSやCPU・メモリ・ディスクなどを自由に選択できることが挙げられます。
専用サーバーに近い形で自由度が高くカスタマイズできますが、比較的安価であるのが特徴といえます。

デメリット

一方で、専用サーバーのときと同様に、サーバーへの専門的な知識が必要になります。
また、物理的なサーバーの専用ではなく仮想領域のため、専用サーバーほどの自由度や性能はありません。
選択する前に開発要件を洗い出してから選択することをおすすめします。

・キャンペーンを実施する等一時的にアクセス急増が見込まれるのでサーバーダウンを防ぎたい
・しかし専用サーバーを借りるにはコストがかかるし不安
・Minecraft(マインクラフト)等マルチプレイ前提のゲームサーバーを構築してみたい

 

4.クラウドサーバー

一台の物理サーバーの中に仮想的にサーバーを複数もつ形態です。
これだけだとVPSと同じように思えますが、大きく異なる点があります。それは、VPSは契約後にサーバーに対してリソースの拡張や縮小ができませんが、クラウドサーバーの場合は、自由なリソースの仮想サーバーを契約でき、必要な時に変更可能なことです。
例)Amazon EC2/さくらのクラウド/IBM Cloud等
 

 

メリット

そのため、アクセス増加が見込まれるサイトの場合、スモールスタートでサイトを開設し、その後認知度があがりサイトのスペックや機能をアップデートしたい場合に、サーバ移行の必要なく拡張することが可能になります。また大規模なECサイトを運営している場合等も、セール時期になると集中的にアクセスが増加し、サーバーの処理が追いつかない事があります。そんなときも、一時的にサーバのスペックを上げて大量のアクセスを処理することが可能なので、アクセス不可による販売機会の損失を防ぐことができます。
そして料金形態を従量制にしておけば、普段アクセス数が落ち着いているときは安い料金で、アクセスが集中したときはかかった分の料金を払うなどコスト調整が可能になります。

デメリット

上記のような柔軟に対応できる良さがある一方、アクセスが集中した際は料金が跳ね上がる可能性も考えられるので注意が必要です。
また、サーバー構築や運用・セキュリティ対策は自身で行う必要があるために、専門知識も必要になってきます。
 

・大規模ECサイトのセール等、アクセス急増に備えたい
・サービスやビジネスの成長に合わせてサイトを拡張したい

 

まとめ

以上長くなりましたが、それぞれのサーバーの簡単な特徴でした。
上記の特徴を簡潔にまとめてみました👇


色々と考えると、スペックが高いものが良いよなぁとなりそうですが、良いもので運用するとなると、しっかり運用担当がいることや、外部に依頼する場合はその費用なども検討事項に挙がってくると思います。
そのため、要件を整理して最適なものを選択することをお勧めします。

✔費用/サイトの規模/アクセス数の見込み、など総合的にみて優先順位を考えて検討する
✔サイトの運用は誰がするのか?サーバーの知識まで知っている担当がいるか、誰かに相談するのか
 
弊社では、サーバーの設定やサイト制作後の運用保守も行っておりますのでお気軽にご連絡ください。

 



参考:
https://www.gate02.ne.jp/media/it/column_12/
https://altus.gmocloud.com/suggest/shared/

Miki Kohinata

就活時代、企業で働きたくないがゆえに将来独立することを決めエンジニアの道へ。IT企業で藤本と運命的に出会いKOHIMOTO設立。目指すのは人の心に寄り添えるエンジニア。人生のテーマソングはWeekend by 5lack。