Webサイト制作にとどまらずデザインが関わる制作現場では、トンマナという言葉をよく使います。
具体的に説明できないまま、雰囲気で何となく使ってしまう事が無いよう、今回はトンマナの意味から具体的な設定の方法まで、詳しくまとめていきます。
トンマナとは、トーン&マナー(tone & manner)を略した言い方です。
トーン(tone)とは、日本語では調子のことで、一般的にデザインにおいて色の明度と彩度を基準とした色調のことを指します。
マナー(manner)とは、やり方や様式、作風などといった意味があります。
つまり、デザインにおけるトンマナとは、一貫性や統一性を担保するためのルールのことを指します。
トンマナに則ってデザインをすることで、デザインした以外の誰かが制作したコンテンツでも、製品やサービスらしさが一目で分かるということが可能です。
次に、トンマナ設定の重要性とメリットについて考えていきます。
取り扱う製品やサービスによって違いはありますが、トンマナ設定の効果として下記のようなことがあります。
製品やサービスをユーザーに知ってもらう視覚的なPRの中で、トンマナを揃えることで、瞬時に同じ製品やサービスだと認知することが可能になります。
自社やサービスの背景や世界を表現したトンマナにすることで安心感が生まれユーザー体験の向上に繋がります。
また、見やすい分かりやすいなど使いやすさを意識したトンマナ設定でUIの質を高めることが可能です。
製品やサービスを展開していく過程で、チームで共同作業をしたりする中で再現性の問題が起こることが多々あります。トンマナを設定することで、イメージの共有ができデザインの再現性が向上します。
また、クライアントワークにおいて制作の前段階で、初めにイメージを明確化することで、クライアントとのイメージの共有が図れ想定していたものと違うなどのトラブルを避けることが可能です。
また、EO対策としてライティングのトンマナを統一することも挙げられます。ライティングルールなどを設けることで品質が一定になり効率的なSEO対策が可能になります。
トンマナを決める際には、下記の様な流れになります。
まず初めに、製品やサービスについてユーザーに届けたいコンセプトイメージを明確化します。
次に明確化したイメージを届ける相手を探します。
市場調査や営業などの現場からのデータなどを活用し、ターゲットを想定します。
ターゲットと発信したいコンセプトが決まったところで、競合調査を行います。
他社と比べることで、自社の強みや弱みを洗い出し、自社の立ち位置を確認します。コンセプト・ターゲット・自社の差別化ポイントを総合的に考えて、最後に目的を決めます。
競合調査の方法について以下の記事で詳しくまとめています。
何を、誰に、何のために、が決まったところで、どの様に伝えるのかの部分にあたる、トンマナの設定とマニュアル作成を行います。
どうしたらより良く伝えることができるのかを考えながら作成します。
先程の例えで考えると、キーワードを決めた段階でそれを膨らませるために、アーキテクトに落とし込んだりムードボードを作成することで、世界観の方向性を可視化し、自身だけでなく関係者との認識合わせに役立ちます。
デザインボードについては、以前まとめた記事の中で触れていますのでそちらをご覧ください。
製品やサービスによって違いはありますが、トンマナの設定で具体的に何を決めるのかを紹介します。
商品やサービスの印象をより的確に伝えるために、トンマナの設定が重要になってくることが理解できたかと思います。
デザインの質の向上や安定性にも役立つので設計に時間をかけても、運用に使えるので効果は大きいものです。是非、今後のデザイン設計にお役立てください。
弊社では、トンマナ設計からWebサイト制作まで幅広くご相談を受けております。気になることがございましたらお気軽にご連絡ください。
Web Trends Lab.編集部
KOHIMOTO Inc.所属。トレンドやノウハウ中心にWebサイトを作るための知見を現場から発信していきます👀また、制作したWebサイトでの活用法や、最前線での施策を伺う企業へのインタビューも実施予定。
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