AIは生産性を劇的に高め、社会に膨大な富をもたらす可能性があります。しかし、その成果を「誰に、どのように分配するのか」という問いはまだ答えが出ていません。特に、AIを開発・運用する一部の企業や国家に利益が集中する現状は、社会的な不公平感を生みかねません。
そこで注目されているのが、DAO(Decentralized Autonomous Organization=自律分散型組織)です。DAOはブロックチェーン上でルールが可視化され、誰でも意思決定に参加できる新しいガバナンスモデル。AIが生み出す価値を「透明に」「公正に」分配する仕組みとして、DAOは強力な選択肢になり得ます。
基本的な概念などを以下にまとめています。↓
AIが進化するにつれ、以下のような課題が顕在化しています。
たとえば、生成AIで作られた画像や文章の収益がすべてプラットフォームに集中してしまう場合、本来は学習データに貢献した人々に分配されるべき価値が共有されていない、という問題があります。
DAOは「コードに埋め込まれたルール」で動く組織です。具体的には、以下のような特徴を持ちます。
スマートコントラクトによって「誰にどれだけ還元するか」を自動実行。
取引や投票結果はブロックチェーンに記録され、誰でも検証可能。
トークン保有者などが投票に参加し、ルール改定や資金配分を決定。
これにより、AIの収益や成果物を分配する際の「不透明さ」を解消し、参加者全員が納得できる形で富を循環させることが可能になります。
https://makerdao.com/ja/
MakerDAOは、代表的なDeFi(分散型金融)プロジェクトの一つ。
担保資産を預け入れることで安定したステーブルコイン「DAI」を発行し、MKRトークン保有者が利率やルールを投票で決めます。すべてのトランザクションはブロックチェーンに記録され、誰がどう意思決定したかが可視化される仕組みです。
https://supersapienss.com/
映画監督やクリエイターが立ち上げたDAO型プロジェクト。
ファンがトークンを持つことで企画や制作に参加し、完成したコンテンツの収益をコミュニティ全体で分配します。これは「クリエイティブ産業の収益を一部の事務所や制作会社に集中させない」DAO活用の好例です。
https://midori.so/locations/shibuya
Web3起業家が集まるシェアオフィスでは、参加者がDAO的に運営に関わり、貢献度に応じてトークンで還元。
そのトークンはオフィス利用料に充当可能です。物理的な場でもDAO的な仕組みが機能し得ることを示しています。
これらの事例は「金融」「エンタメ」「コミュニティ運営」と分野は異なりますが、共通して「成果の分配ルールが透明」である点に価値があります。
では、このDAOの仕組みをAI成果の分配に適用すると、どのような未来が見えてくるでしょうか?
AIが利用したデータの貢献度に応じてトークンを配布し、収益の一部を還元する。
バグ報告や改善提案に貢献した人へ報酬を自動分配。
地域ごとにAIの成果をプールし、地域通貨や公共事業に還元。
誰がどれだけ得たかを可視化し、格差拡大への懸念を軽減。
要するに、AI成果の分配をDAOに組み込むことで「透明性」と「信頼性」を両立しながら、新しい経済圏を築ける可能性があるのです。
AIはこれからの社会で大きな富を生み出します。しかし、その富をどのように分配するかによって、未来はユートピアにもディストピアにもなり得ます。
DAOを活用すれば、成果の配分ルールを明確にし、全員が納得できる形で富を循環させることが可能です。
AIとDAOの組み合わせは、「富の偏在を防ぎ、参加者全員で価値を共有する」未来をつくるための重要なピースなのではないかな~と思いました。
KOHIMOTOでは、デジタルクリエイティブを軸にサービス展開をしています。もし課題があれば、まずは小さな導線から一緒に整えていきましょう。
またKOHIMOTO LABOのXアカウントでは、WebサイトのTipsやAI共創の最新動向や魅力を紹介しています。Web・AI・ブロックチェーンの交差点で起きてる事や考察も発信予定なので、よければのぞいてみてください🧪
編集者:コウ
年間20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍
監修者:Yuka Fujimoto
Webディレクター / デザイナー。美大在学中に、画面ひとつで世界中の人と繋がれるWebの可能性やデザインへ興味を持つ。インターンを経て就職したIT企業で実務経験を積む。肉より魚派🐟
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