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デザイン Edit : 2024.01.17 Update : 2024.11.07

ユニバーサルデザインとは。インクルーシブデザインとの違いは?

ユニバーサルデザインという言葉は、日本では1995年代から注目を浴びるようになったと言われています。
今となっては日用品からインフラまで、私たちが暮らす生活はユニバーサルデザインによって大きく支えられています。
今回は、前回ご紹介したインクルーシブデザインの記事に引き続き、ユニバーサルデザインについて解説いたします。

前回のインクルーシブデザインについての記事はこちら。

ユニバーサルデザインとは

身体的な制限や障がいの有無、性別・年齢などの違いにかかわらず、誰にとっても利用しやすいデザインのことをユニバーサルデザインと呼びます。
ユニバーサルデザインは、アメリカのノースカロライナ大学の教授で建築家でもあったロナルド・メイス博士によって提唱されました。
彼自身、障がい者として特別視されることに疑問を感じており、はじめからすべての人が使いやすいデザインが重要であると考えたのです。
またその源流となる考えは、デンマークで生まれたノーマライゼーション*だといわれています。
*ノーマライゼーションとは、高齢者や障害者などの社会的弱者を特別視せず、誰もが同等に生活ができる社会を目指すという思想のこと。

インクルーシブデザインとの違い

ユニバーサルデザインと似た言葉として、インクルーシブデザインが挙げられます。
インクルーシブデザインとは、これまでのデザインプロセスの中で軽視されがちだった人々を、デザインの上流から巻き込んでいく手法のことです。

ユニバーサルデザインと方向性は似ていますが、インクルーシブデザインの場合は、「特定の人」の課題解決を起点にしているという点で大きく異なります。

ユニバーサルデザインの7原則

  1. 誰にでも公平に利用できること
  2. 人が使う上で自由度が高いこと
  3. 使い方が簡単であること
  4. 必要な情報がすぐに理解できること
  5. ミスや危険につながらないこと
  6. 無理な姿勢や強い力が必要ないこと
  7. 誰にでも使いやすい十分な大きさ・広さであること

ここで注意したいのはユニバーサルデザインとインクルーシブデザインは対立するものではないということです。
2つのアプローチにはどちらにもメリットがあるので、よりよいデザインを生み出すためにも両者を適切に活用しながら課題に向き合うことが重要です。

ユニバーサルデザイン事例

スマートフォン

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世の中には、ユニバーサルデザインを採用したスマートフォンが多く存在します。中でもiPhoneには、アクセシビリティという視覚や聴覚に障がいがある方でも、利用しやすい機能がたくさん備わっています。

Apple/アクセシビリティについて
https://www.apple.com/jp/accessibility/

シャンプーの容器

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シャンプーの容器には、ギザギザがついているのをご存知ですか。
目を瞑りながらも、シャンプーとリンスが区別できるようになどの生活者の要望に答え、1991年に花王株式会社が発表した事例となります。
視覚障がい者や高齢者にも便利なことから、ユニバーサルデザインの代表例として知られています。

花王/シャンプーのきざみに込められた思い
https://www.kao.com/jp/sustainability/me/universal-design/shampoo-notches/

照明のスイッチ

universal_01 照明のオンオフを切り替えるスイッチは、どちら側を押しても切り替わるシーソー型のもの、手のひらで押すことができる大きいサイズのものが主流になってきています。最近では、スイッチに触れることなく人感センサーで明かりがつくものもあります。
これらは、指の力の弱い高齢者や子どもでも扱いやすく、誰でも簡単に操作できるデザインだと言えます。

その他にも、自動ドアや階段の手すり、センサー式の蛇口、お札など、私たちの身近なところにユニバーサルデザインは存在しています。
また、昨今では教育の現場でもユニバーサルデザインを推進する活動が行われており、日本でも、障害のあるなしにかかわらず、すべての児童生徒にとって、わかりやすく学びやすい教育をデザインする教育のユニバーサルデザインの実践研究も進んでいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
2021年に開催された東京オリンピックでは、ピクトグラムが話題になりましたね。ピクトグラムは、ユニバーサルデザインの代表的な事例となります。
ちなみに、2024年開催予定のパリオリンピックでは、ピクトグラムのデザインは大きく一新されています。
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tacot

大学卒業後、デジタルマーケティング会社に入社しメディア広告営業やウェブサイトのディレクションを担当。前職の経験を活かしウェブディレクターをしながらWeb制作業界にまつわるコンテンツを執筆中。