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ディレクションデザイン Edit : 2022.09.15 Update : 2024.11.07

ECサイトの素材で魅力的な商品写真を準備するためのチェックリスト

ECサイトでは商品を手に取ることができないため、商材としての写真の重要性はとても高いです。
本記事では大手ファッションECサイトでデザイン業などを担当している筆者が、ECサイトで高クオリティーな写真素材を制作する際のコツやポイントをまとめていきます。

PCサイトで写真が重要視される理由

ECサイトでは商品を手に取ることができないため写真で文章では表現できないディティールや魅力をアピールできるため。
具体的な理由としては以下の①〜⑤があります。

①写真で商品の魅力を伝えるため

ECサイトで商品購入を検討する際に1番参考にするのは、写真画像のことが多いのではないでしょうか。
ECサイトでは商品を実際に手に取れないため、商品の魅力を最大限に伝えられる情報の解像度が高い写真が求められています。

②写真で商品の細かいディテールを伝えるため

商品のサイズや質感、マテリアル、細部の拡大など、実際に手にとってみないと分からないところまで伝える写真があると、お客さんの心理的不安を取り除くことができ、結果的に購入へ踏み切れやすくなります。
 
ECサイトにおける商品画像の例
画像引用:ZOZOTOWN

上画像は、ZOZOTOWNに掲載されているSLYの洋服のEC写真です。モデルが着用したところを様々な角度から撮影した写真の他に、商品単体、各部位のアップの写真、スタッフの着用コーデなど、1つの商品に対して37枚の写真が用意されています。
 
ECサイトにおけるギフトラッピング写真
画像引用:MARLMARL
 
また、プレゼントに多く利用される商品などは、ラッピング時の写真などもあると、ユーザーの目的に商品が対応しているのかどうかがリアルに伝わります。

商品について、顧客が知りたいと考えていることを網羅できる写真を多く用意することで、ブランドに対する信頼にもつながります。

③テキスト+写真での商品説明ができるため

ECサイトの市場規模のうち、スマートフォン経由の市場規模が半分を占めておりスマホ経由の市場規模は年々拡大しています。
ECサイトによってはユーザーの大半がスマホ利用ということも珍しくないはずです。

スマートフォン経由の市場規模の直近 5 年間の推移
出典:経産省発表「令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」
 
スマホ利用者の特徴はテキストあまり読まず、写真や動画から情報を得る事が多いところです。
理由としては、SNSなどに慣れているのと、小さな画面で長文を読むのはストレスということにあります。


画像引用:@muji_global
 

もしもサイト流入者数でスマホユーザが多い場合には、スマホでの商品掲載時の写真確認も行うと良いでしょう。
大きい画面であるPCでは見やすくてもスマホで見ると見づらいなどの可能性もあり得るためです。

④SNSなど他媒体への展開も可能

商品写真を魅力的に作ることで、ECサイトのみではなく他のSNSやショッピングモールサイトの展開時にも活用できます。
SNSなどのWebマーケティングはブランディングにおいても効果が得られることが期待できます。

⑤画像による検索順位向上が見込めるため

商品ページで画像を適切に配置する事は、SEO対策でも重要になってきます。Googleの商品検索や画像検索からの流入が期待できます。また画像にはaltタグで適切な内容のテキストを配置しましょう。

大型ECモール出品の際はガイドラインを確認しよう

大型のECモールでは「商品画像に関するガイドライン」を設けていることが多くあります。ガイドラインを守って出品することが条件となりますので、あらかじめ確認しておきましょう。ガイドラインの条件は以下のようなモノになります。

Amazon

  • 背景は純粋な白画像=RGB値(255,255,255)にする
  • 販売商品のみを写す(付属品は省くか最小限にする)
  • 画像全体の85%を占める必要がある
  • 幅のいずれかが1,000ピクセル以上、最長辺で500ピクセル
  • 最小サイズ:縦または横のどちらか長い辺が500ピクセル
  • 最大サイズ:縦または横のどちらか長い辺が2100ピクセル

 

楽天

  • テキスト要素は、画像全体の「20%」以内
  • 画像に、「枠線」をつけない
  • 背景は、「白」か「写真背景」のみ(合成や奇抜な色は不可)

 

商品撮影する前の確認すべき事項

商品の写真を準備する際にいきなり撮影に入るのではなく「ユーザが知りたい事は何か」「どんな写真なら商品が欲しくなるか」などユーザ目線にたって事前に必要の写真を考えておくことが重要です。
また、事前に準備を行わないと、撮影などの写真を準備する際も行き当たりばったりになってしまい進行がスムーズにいきません。
似たような競合や人気のサイトを分析して、どのような写真が使われているのかを調査する方法もあります。

●商品ブランディングのトンマナや方向性に合わせる

写真でも商品を紹介する目的に加え、ブランドの価値観や世界観を表現することが重要です。
ECでの販売は様々なプロダクトが日々発売される中で、競争が激しく価格や流行の取り入れ方だけではファンの獲得が難いためです。

ECサイトにおける商品ブランディングのトンマナや方向性

●写真素材制作に入る前に決めておくことチェックリスト

具体的には以下の5つのチェック項目をきめてから商品写真を撮影しましょう。

  • 仕上がりイメージ
  • 掲載枚数
  • クオリティー
  • カラーなどのバリエーション違い
  • 詳細写真が必要な部位

売れる商品写真の特徴は?

売れるための商品画像の特徴を一言で表すと、ユーザー視点に立って作られたものかどうかにつきます。商品が最も魅力的に見え、他社の類似商品写真と画像を比べた際に優れている写真を目指しましょう。
また、ユーザが知りたい情報は、細かい部分だったりもするため意外とメイン以外の画像も重要になってきます。

魅力的な商品画像を撮影する4つのポイント

①光を調整する

商品の印象をもっとも左右するといっても過言ではないのが光です。
自然光を使ったり照明を使ったり、光にこだわって撮影を行い、画像加工前提にとりあえずの撮影は控えて写真だけでも高品質なものを目指しましょう。

②利用シーンを想起させる場合は、背景や小物を使って演出する

商品にはどんな時に利用するかのシーンが連想できると購入した後の生活が予想できやすく「ほしい」という感情が彷彿されます。
 

画像引用:https://bruno-onlineshop.com/
 

③魅力的に見える構図やアングルのセオリーを知る

上手な人が撮った写真は写真全体がスッと目に入ってくる安定感がありますよね。そのポイントは構図にあります。構図がしっかりしていれば見栄えの良い写真になります。日の丸構図、三分割構図、対角線構図という、基本の構図をご紹介します。
 
日の丸構図,三分割構図,対角線構図
 
アングルちは、商品に対してのカメラの角度です。種類は、ハイアングル、水平アングル、ローアングルなどがあります。
手前のほうが拡張されて映るため、一般的に商品写真には水平アングルが使われています。

④サイズ感や素材感が伝わる写真にする

サイズ感や素材感が伝わる写真を作る事で

商品の写真加工で高品質を追求する3つポイント

実際に商品写真の加工をPhotoshopなどで行う際に、商品が高クオリティーに見える方法を4つ紹介します。

①トーンのメリハリをつける

撮った写真にトーンのメリハリをつけることで、より商品の存在感が際立ち魅力的に映ります。
 
ECサイトの写真トーンのメリハリ
 

②影にこだわる

撮影の際は、光の当たり方に気をつけて影にも注目します。
また商品を切り抜いて、他の背景色などに置くときに影があるだけで商品の高級感がぐっと増します。
 
影の有無

また影はただ黒いものをつければいいだけではなく、金属だったら光が反射する影、ガラスや水など透明なものの影は光が集まる中央にかけてグラデーションのような影になります。これらをリアルに表現することで、より魅力的な印象になります。
 
ECサイトの写真金属だったら光が反射する
ECサイトの写真透明なものの影はマーブルのような影
 

③画質にこだわる

適切な画像サイズの商品写真を配置することで、画像のぼやけ等がない高品質な写真になります。
ウェブサイトで出力解像度は一律で72dpiです。ですので、解像度がそれ以上高い必要はありません。
あまりに画像サイズが大きすぎる場合はサイトの表示速度が重くなってしまうため、画像サイズはサイトに合わせて適切な画像サイズを使用します。

ECサイトの分析で出来る写真の改善要項

写真は撮って作って投稿して終わりではなく、どのような写真がユーザにヒットするのかという所を分析して改善していきましょう。具体的には、以下のような分析があります。

ページの比較

似ている商品ページが2枚あったとして、流入者数に対して購入者が低い場合、パーセンテージが高い商品のページと何が違うのかを分析して改善してみましょう。

ABテストを実施する

ある一定の期間はメインの写真をAとし、次にある一定の期間はメイン写真をBとし、2つの結果を比較してどちらの写真をおくとより商品が購入されたかを確認する方法です。

ヒートマップをみる

ウェブサイトでは、訪れたユーザが何を見ているのかを表すヒートマップ(見ている場所が赤くなる)というツールを用いて、内容を分析することがあります。それをEC運用にも役立ててみましょう。

ECサイトでは、写真が売り上げを左右する程に重要

いかがでしたでしょうか。ECサイト運営には写真の品質が売り上げを左右すると言っても過言ではない程に重要だという事がお分かりいただけたかと思います。
また、こちらの記事ではECサイト開設後に売り上げアップを見込める施策をまとめています。

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弊社でもECサイトの制作を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
 

Yuka Fujimoto

美大にいた頃に画面ひとつで世界中の人と繋がれるWebの機能性やデザインへ興味を持つ。インターンを経てIT企業へ就職後、そこで出会った小日向とKOHIMOTOを立ち上げる。ズーキーパーが得意。