今回は現役Webデザイナーの視点で厳選したオウンドメディア事例と併せて、オウンドメディアのデザイン制作について解説していきます。
オウンドメディアにおけるデザインの役割と重要性
使いやすい、居心地が良いサイトのためのデザイン設計
オウンドメディアを通じて達成したいことは企業によって様々ですが、最大限の効果を得るためには目的に即したデザイン設計をすることが大切です。
また何を優先的に伝えたいかにより適したデザインも変わってきます。具体的には、最新の情報を素早く届ける
速報性、ユーザーに必要な情報をくまなく掲載する
網羅性、自社独自の
ブランディングや世界観構築、などになります。
参考:https://www.fashionsnap.com/・https://ferret-plus.com/・https://designing.jp/
デザインそのものが直接的な集客になるわけではありませんが、
目的を達成するための一つの手段として捉えて良いでしょう。
「このサイト、使いやすいな、居心地が良いな」とユーザーに感じてもらう事は
価値のあるオウンドメディアにつながります。
誰にどんな情報を届けるかを決めて、自社のオウンドメディアの目的を明確にしたうえで、コンセプトに即したデザインは
結果的にユーザーファーストにつながります。
そもそもオウンドメディアとは?
オウンドメディアとは自社で保有・運用しているメディア
オウンドメディア(Owned media)とは、企業や組織が自ら所有し、ユーザーに向けて情報を発信する媒体(メディア)を指します。
主に、Webサイトやブログ、電子メールのように、企業やその代理店など宣伝する側がコントロール可能なコミュニケーションチャネル(顧客とのメッセージを送受信する経路)を指します。
オウンドメディアの例
- 会社・ブランドのWebサイト
- 会社・ブランドのブログ
- SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の企業所有ページ・アカウント
オウンドメディアを運営する目的3選
オウンドメディアを運営する目的は大きく分けて3つあります。
①ユーザーに自社のサービスなどを幅広く認知してもらえる
幅広いユーザーに接触する機会になる
②企業やサービスなどのファンになってもらえる
企業の思いをより深く伝えることでファンになってもらい、潜在顧客を優良顧客(リピーター)へ育てることができる
③ブランドイメージの向上や信頼性の向上
オウンドメディアに追加した情報は、サイト内に自社の資産として蓄積されていく。戦略的なコンテンツ設計をすることで、潜在顧客の獲得や自社のブランドイメージの向上、信頼性の向上などあらゆる目的を間接的に達成することができる
オウンドメディアを運営するメリット
オウンドメディアを運営するメリットの1つとしては、SNSの弱点である
蓄積(ストック)と検索エンジン流入をカバーできる点となります。
SNSでは最新の情報を発信し、課題を解決するために検索するユーザーへは
情報を置いて待ち構えるオウンドメディアが有効です。
速報性・網羅性・独自性の目的別、デザインの特徴
速報性 | 最新の情報を素早く届ける
デザインの特徴としては、毎日配信される情報を見つけ易くするために、デイリーランキングなどのコンテンツをトップページに配置することで、旬の情報をいち早く確認できるデザインとなっています。
最新情報を頻回に発信するため、記事数が多くなる
解決策として、デイリー・マンスリーなど
細かいカテゴリでのランキングの配置があげられます。
AZrena | アズリーナ
https://azrena.com/
スポーツ系オウンドメディアでは試合結果や選手のインタビューなど速報性が求められます。
ギズモード・ジャパン | 日本最大級のガジェット&テクノロジーサイト
https://www.gizmodo.jp/
網羅性 | ユーザーに必要な情報をくまなく掲載
デザインの特徴としては、画像やフォントの見やすさよりも、情報量の多さをアピールしたデザインが多い印象、乱雑になりがちなコンテンツをタグでグループ化したり、最新情報やおすすめ情報などに分類したりするなど、情報を探し易くしている。
特徴として、情報が蓄積して記事が埋もれがち
解決策として、
検索窓の配置や、カテゴリーやタグでグループ化があげられます。
MERY|自分アップデートのためのコミュニティメディア
https://mery.jp/
「Update My Happiness」をコンセプトにした女性向けオウンドメディア、アップデートするための幅広い情報を発信するため、網羅性に特化している。
ねこのきもちWEB MAGAZINE|それでもやっぱり猫が好き
https://cat.benesse.ne.jp/
猫に関する様々な情報が蓄積されている。タグで情報が分類され、情報が探しやすい。また、獣医師による解説など専門性も担保したサイト。
独自性 | 独自のブランディングや世界観構築
他に類を見ないデザインが特徴、サイトの使い勝手よりも奇抜な動きが用いられていることが多い。使い勝手の悪さは、Googleの評価に影響するので、わかりやすい動線の確保が重要になってきます。
他にない印象的なイメージで見る人の心に残るデザインが特徴
そのためにはユーザーの期待を裏切る動き、UI/UXの工夫や商品やサービスのカラーなどをサイトデザインに反映し、ブランドイメージの定着を図る事が重要です。
ブラザーグループSDGsスペシャルサイト | ブラザーSDGsストーリー
https://sdgsstory.global.brother/j/
3Dキャラクターが画面から飛び出てくる様な、モーショングラフィックスが印象的、ページの読み込みスピードが遅くなるのが難点、斬新な動きのあるデザインだが、わかり易くボタンの配置がなされており、操作に迷うことはない。
キユーピー マヨネーズを使って料理をもっとたのしく!| キユーピー マヨネーズキッチン
https://www.kewpie.co.jp/mayokitchen/index.html
商品のパッケージデザインをそのまま反映したデザインになっており、一眼見てサイトと商品が結びつくデザイン。無意識にブランドイメージを定着させることに成功している。
オウンドメディアのデザインのベーシックな考え方
デザインはメディアのコンセプトや目的に合わせる
メディア全体の基本的な考え方や概念であるコンセプトに合わせたデザインにすることで、自社のブランドイメージの定着を図ります。
具体的には、誰に・何を・どのように伝えたいかを決め、
ターゲットとなるユーザーのニーズを調査し、適切な人に適切な情報が届くデザインを目指します。
ブランディングを意識し企業のイメージカラーを彷彿させる
色はイメージとして人の記憶に残りやすい特徴があります。
コーポレートカラーなどを取り入れることによりシンプルなデザインやレイアウトでも、ユーザーに印象付けることができます。
企業のイメージカラーやロゴなどのフォントを統一することで、「あの会社のメディアだ」と認識してもらいやすく、商品やサービスのイメージも定着しやすくなります。
企業のブランディング強化や認知の浸透を図る上で、
どの色をメインに使用したサイトを作るかは重要になります。
オウンドメディアのデザインで意識すべき3つのポイント
①サイトや記事内に見込み顧客の獲得への導線をつくる
オウンドメディアに来てくれた方を見込み顧客にするためには、訪問者の情報を得る必要があります。
次の2点を行い見込み顧客の獲得への動線を整備しましょう。
- サイトにお問い合わせ用のフォームや電話番号を用意
- 記事内に問い合わせしてもらうためのボタンやURLリンクを追加
また、お問合せ情報の一元管理、メルマガの配信など、問い合わせ後の動きもあわせて計画しておきましょう。
②SEO対策とオウンドメディアのデザイン
多くのユーザーにサイトを訪問してもらうためには、Googleなどの検索エンジンで検索をした際上位に表示されることSEO対策も重要です。
Googleに評価されるためにはユーザーファーストを意識した記事やコンテンツの制作が必要となり、以下の記事でSEOライティングについてもまとめています。
ユーザーにとって視認性や操作性の良いサイトは居心地が良くサイト滞在時間も長くなります。
また近年は、オウンドメディアの質も上がってきており、ハイクオリティが求められているなかで、見た目の印象の良いサイトにすることで信頼を得られる可能性もあります。
③スマホ対応する
Googleは現在Webサイトの検索順位を決定する際に、
PCサイトではなくスマートフォンサイトを基準に評価を行っています。
モバイルデバイスに対応していないサイトは、順位決定時の評価が低下するという事を示しています。
スマートフォン閲覧時に、ページが切れてしまったりボタンがタップしにくかったりしないよう、視認性も操作性も考慮しユーザにとって居心地の良いサイトを制作しましょう。
まとめ
今回は、オウンドメディアのデザインについてご紹介させて頂きました。
サイトの目的やターゲットの違いなどによって、そのまま参考にできるか否かは変わってきますが、「この動きや見せ方いいなぁ」「このカラーの使い方素敵!」などひらめきの一助になれば幸いです。
オウンドメディアは、
SEO対策をしてユーザーの流入を増やす→良質なデザインや記事でユーザーの心を掴む→CVとなるアクションを起こしてもらうの流れを作ることを目指すことができます。
弊社でもオウンドメディアの企画~制作を承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
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Yuka Fujimoto
美大にいた頃に画面ひとつで世界中の人と繋がれるWebの機能性やデザインへ興味を持つ。インターンを経てIT企業へ就職後、そこで出会った小日向とKOHIMOTOを立ち上げる。ズーキーパーが得意。