JIS X 8341-3:2016は、2022年11月時点で最新のウェブアクセシビリティに関するJIS規格です。
JIS X 8341-3は、正式名称を「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」と言います。
2004年にJIS X 8341-3:2004が発行され、2010年にWCAG 2.0の内容を取り込む形で大きく改定。2016年には、WCAG 2.0とISO/IEC40500:2012と全く同一内容の一致規格として改定されました。それがJIS X 8341-3:2016という規格です。 そのため、WCAG 2.0とISO/IEC40500:2012とJISX8341-3:2016は同じ内容となっています。
JIS規格に対応したウェブサイト作成する
政府や国内の大企業のWebサイトはJIS規格に準拠しているケースが多く見られます。そのため今回はJIS X 8341-3:2016への対応について解説します。
1. 対応する度合いを決める
JIS X 8341-3:2016への対応度を示す方法には、「準拠」「一部準拠」「配慮」の3つの方法があります。
これはJIS規格に基づいた表記方法ではなく、WAIC*が独自に定義した表記方法です。
*WAIC=ウェブアクセシビリティ基盤委員会(Web Accessibility Infrastructure Committee)
準拠:基準を全て満たしているもの
一部準拠:達成基準の一部を満たしているもの
配慮:試験の実施と公開の有無は問わない
2. ウェブアクセシビリティ方針を策定する
JIS X 8341-3:2016の対応度を表記するためには、ウェブアクセシビリティ方針を作成しなければならず、大きく2つのことを決める必要があります。
JIS X 8341-3:2016では、適合レベルが「A・AA・AAA」の3つに分けられています。どのレベルに適合するかを選択します。
デジタル庁や他国の法律などでは、AAに適合することを推奨しています。
3. ウェブアクセシビリティの試験を行う
ウェブアクセシビリティ方針が決まれば、試験を行って対応度を確認します。
JIS X 8341-3:2016の適合レベルAAに準拠していることを試験で確認するためには、適合レベルAの達成基準25個と適合レベルAAの達成基準13個の中から、開発したサイトやサービスで適用対象となる達成基準を選び、それぞれの達成基準が適合しているかをひとつひとつ確認します。
【各適合レベルについて】
A
レベルAは、25項目あります。ウェブアクセシビリティを確保するために最低限のラインになります。
AA
レベルAAは、13項目あります。このレベルを達成するとユーザーが支援技術なしでも、ウェブサイトにアクセスできるようになるものが多くあります。