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ディレクション Edit : 2025.04.24 Update : 2025.04.24
上場直前でも間に合うWebガバナンス整備チェックリスト

上場直前でも間に合うWebガバナンス整備チェックリスト

上場へ向けて書類審査は通ったが、Web周りでNGが出た場合、IR 情報の更新遅延やセキュリティパッチの未適用は、レピュテーションリスクとして審査委員に強い印象を残します。
とはいえ、直前フェーズで大規模リニューアルは現実的ではありません。本チェックリストは 「いま持っているサイトを最短4週間で安全圏に乗せる」ことをゴールに設計しました。

スケジュール

これで、上場直前でも「間に合う最短のWebガバナンス」が完成します。

時期 タスク
Day1 現状棚卸し
Day3 セキュリティ監査
Week2 監査レポート
Week4 取締役会で報告 → 追加予算を確定しIPO書類に添付


Day1:現状棚卸し

公式サイトと関連ドメインの可視化

まず、社内外に散らばるドメインを洗い出します。Google WorkspaceやAWS Route 53の登録情報、旧CMSに残るサブドメインも漏れなくリスト化。担当者・委託先・最終更新日をExcelで紐付けると、以降の優先順位づけが一気にラクになります。

よろしければテンプレートをご用意したので、お使いください。

ポリシー整備 ― 公開・改訂フローを一本化

次に「誰が・いつ・何を・どう承認するか」を明文化。IR 情報、プレスリリース、製品ページで承認プロセスがバラバラだと、公開タイミングがズレて情報開示義務違反につながります。
社内ポータルにガイドライン+申請フォーム(Google フォームで OK)を一元配置し、「改訂履歴は GitHub で管理」という運用に切り替えると、コンプラ部門の確認コストも下がります。

Day3:セキュリティ監査

7項目クイック監査

「まずはここ」の7項目クイック監査。IPO 審査の質問リストは概ね似通っています。TLS1.3 対応・プラグイン更新・IP 制限――この7項目をクリアすれば、短期的な重大リスクは大幅に減ります。外部ツールなら「Security Headers」と「WPScan」が即日で使えるので、初日で現状スコアを可視化しましょう。

アクセシビリティ基準 ― JIS X 8341-3 達成度を可視化

日本取引所グループの ESG 評価でもアクセシビリティは注目指標。 すべてのページを一度に直すのは不可能なので、「IR/採用/問い合わせ」など流入が多い 12 URL に絞って簡易試験→ WCAG 2.1 達成基準で色分け。 「赤」は IPO前に「黄」は次四半期に、「緑」 は長期で対応すると宣言すれば投資家への説明もぶれません。

Week2:監査レポート

取締役会への報告テンプレ

取締役会向け資料は “1 枚・色分け・数字” が鉄則。チェックリストのセルを三色信号でハイライトし、「影響度 × 対策コスト × 期日」を 3 行でまとめます。経営者は 「何が終わっていないのか」だけを瞬時に把握できるので、追加予算の意思決定を迅速に進めることができます。

Week4:取締役会/IPO 書類対応

To-Do 成果物 担当
1 取締役会用 PPT 最終化
‐ チェックリスト総括を1枚のRAG表に凝縮
‐ 追加予算(CapEx/OpEx)とROI試算を1枚に集約
2-slide ボードデッキ(PDF化) Web PM
2 事前共有
‐ ボードポータル/Slack に24時間前アップロード
‐ 取締役・監査役へ質問受付窓口を明示
アップロードログ PMO
3 取締役会プレゼン(5〜7分)
‐ リスク→コスト→ROI の順で説明
‐ 追加予算の決議を即時採択(決議番号取得)
取締役会議事録ドラフト 取締役会事務局
4 決議書・議事録確定
‐ 電子署名/押印を当日中に回収
‐ 予算振替の社内ワークフローを起票
決議書PDF・稟議番号 法務/経理
5 IPO 書類へ添付・反映
‐ 有価証券届出書「内部統制」「リスク情報」欄を更新
‐ 参考資料に(a)決議書(b)チェックリストサマリーを添付
改訂版 S-1/Ⅰの部 IR 担当


実務上のポイント

  • 数字は1枚に:取締役会は「コスト vs. リスク低減」だけを即判断できる形で。
  • 署名回収を即日:しないと IPO スケジュールが後ろ倒しになります。
  • 同日中に証券会社/監査法人へ共有:質問対応のバッファを確保しておくと安全。


上場後も機能する「運用ループ」へ

上場後もWebリスク管理のスタートライン後のOKRの例として「重大インシデント0件」「改訂SLA95%」を掲げ、四半期ごとにKPIをレビューする仕組みを入れられれば、上場後にガバナンスが形骸化する心配もありません。
逆に言えば、「運用ループ」を設計しないまま、チェックリストだけ提出して終わりは少しリスキーになります。

KOHIMOTOでは上場前のWebサイト準備のお手伝いのご依頼も承っています。保守運用の要件定義や新たなアイデアにも素早く対応できるリソース体制で、貴社のWeb担当者として帆走します。興味がありましたらお気軽にご連絡ください✨


コウ

年間約20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍