「ブランドサイトと採用サイトは分けるべきか?」は企業の広報・人事担当者にとって、悩ましいテーマです。
サイトを分けるとコストがかかる…そんなイメージがあるかもしれませんが、実は「分けたほうが効果的」という事例が増えています。今回は最新データと当社の実例をもとに、応募数や採用単価へのインパクトを徹底比較します。
ブランドサイトと採用サイト、役割の違い
まず、ブランドサイトと採用サイトの役割整理を整理してみます。以下のように、目的が違うからこそ、情報設計・KPIも分けるべきという考え方が主流になっています。
サイト種別 |
目的・内容 |
ブランドサイト |
事業・理念・IR情報など、ステークホルダー全体に向けた“企業の顔”。 |
採用サイト |
求職者だけに焦点を当てた“企業の声”。職種紹介や社員ストーリー、選考動線を最適化。 |
費用対効果をデータで比較
採用サイトをブランドサイトから分離したことで、各種指標が大きく改善した事例があります。
たとえば応募完了率は1.2%から2.8%へと2.3倍に向上。採用コストも1人あたり42万円から25万円へと40%削減されました。また、ページの直帰率も62%から43%へ改善。いずれも情報設計や選考導線を「求職者視点」に最適化した結果であり、サイト分離の費用対効果の高さがうかがえます。
指標 |
分離前 |
分離後平均 |
改善幅 |
応募完了率 |
1.2% |
2.8% |
2.3倍 |
採用コスト/人 |
42万円 |
25万円 |
▲40% |
ページ直帰率 |
62% |
43% |
▲30% |
さらに、CMS統合型DXを導入した企業では応募数1.8倍&媒体費削減を同時達成した事例も報告されています。
【当社事例】三ッ輪ホールディングス(MITSUWA)リニューアル
最後に、コーポレートサイトと採用サイトを分けた、弊社の事例を紹介します。
【課題】
旧サイトは「情報量が多すぎて採用コンテンツが埋没」し、応募導線が複雑化。
施策
課題点を改善すべく以下の施策を実施。
- コーポレートと採用サイトを分離。
- 採用サイトに「数字で見るMITSUWA」「社員インタビュー」「エントリーフォーム直結CTA」を実装。
- Google Analytics4 で応募CVイベントを計測。
成果(公開半年)
公開半年後の成果は以下になります。
指標 |
改善内容 |
オーガニック流入 |
+68% |
応募フォーム到達率 |
+1.9倍 |
媒体掲載費 |
▲32% |
計測ツール:GA4 / HR:Indeed・Wantedly・リクナビ
採用サイトを独立させたことで、オーガニック検索からの流入がなんと
68%アップ。さらに応募フォームへの到達率も約2倍に伸びました。
この結果、求人媒体に頼らずとも応募が集まるようになり、媒体掲載費も
32%カット。
求職者の導線を丁寧に整えたことで、自然流入からの応募数がしっかり増え、コストを抑えながら成果を最大化できた、まさに「いい流れ」をつくることができた成功例です✨
また採用担当が自走できる更新フローを作ったことで運用コストも削減しました。
2サイトを分けるデメリットと回避策
反対に、2つに分けるデメリットとその回避策をまとめてみました。
潜在リスク |
回避策 |
制作・運用コスト増 |
ページ数を絞り25〜30Pで初期ローンチ→効果検証後に拡張 |
ブランド分断 |
トップに相互リンク+トンマナ統一、共通ヘッダーUIを採用 |
管理負荷 |
コンテンツ責任者を“事業=広報”+“採用=人事”で二軸体制に |
自社はどする?!判断チェックリスト
先ほどの数字を見ていただければ分かる通り、採用サイトを分けることは「余分なコスト」ではなく、未来の採用を強くするための“先行投資”です。
応募率が上がって、媒体費が下がれば、半年〜1年でしっかり元が取れる計算になります。
ご紹介するチェックリストと、自社の採用KPIと照らし合わせながら、最適なサイト戦略を一緒に描いていきましょう!
✔年間採用人数が10名以上か
✔応募者のミスマッチ率が高いか
✔既存サイトの改修より管理簡素化が急務か
コウ
年間約20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍