MENU
CLOSE
システム Edit : 2022.08.15 Update : 2024.11.07
Web3.0って何?実現されることやWeb1.0、Web2.0との違いを調べてみた。

Web3.0って何?実現されることやWeb1.0、Web2.0との違いを調べてみた。

Web3.0とは「次世代のインターネット」といわれています。
Web3.0に関連して、NFT、メタバース、DAO、暗号資産(仮想通貨)などのキーワードが話題になっています。
今後インターネットなどのIT・通信技術を活用する上で重要な役割を果たすと感じつつ、Web業界にいながらその実態についてあまりよく分かっていなかったのでWeb3.0で何ができるのか、何が実現されているのか、を調べてみました。
※Web3.0とWeb3では概念が異なるため、Web3.0表記を統一しています。

Web3.0とは?

Web3.0とは分散型インターネットの概念で、現在主流のWeb2.0の次のネットワーク技術の中心軸になる「バージョン3.0」の次世代インターネットとして注目されています。

Web3.0の特徴

Web3.0は情報の中央管理をなくして分散管理する仕組みを取り入れているのが特徴です。Web2.0ではGAFAMがネットワークにおけるプラットフォームをの多くを所有しています。ユーザーは個人情報を登録する必要があり、登録先のサービスの規約に従って利用しなければなりません。
Web3ではブロックチェーン技術によって情報をユーザーで分散管理します。氏名やメールアドレス、デジタル資産の所有権などの個人情報を自分自身の個人で管理できる仕組みです。さらにネットワーク上のソフトウェアの管理もユーザーが担います。巨大企業による中央集権的なインターネットから抜け出し、ユーザーが権利と責任を持つインターネットを構築しようとするのがWeb3.0です。

Web3.0のWeb2.0以前の技術の違い

Web3.0はWeb2.0以前とは技術的に違いがあります。Web2.0以前はサーバー技術を用いているのに対して、Web3.0は主にブロックチェーン技術を使用しています。サーバーとブロックチェーンは開発方法に違いがあるため、Web3.0は新規参入の敷居が高いのが課題です。
Web3.0は2014年に暗号資産Polkadotの創設者であるギャビン・ウッド氏が提唱されました。ウッド氏はWeb3 Foundation(W3F)を設立してWeb3.0の技術の発展を支援し次世代インターネットとしての活用が進められています。

Web1.0~Web2.0~Web3.0の変遷

Web2.0やさらに前のWeb1.0とは何が違うのかを要約すると情報発信が一方通行だったWeb1.0からWeb2.0になったことでコミュニケーションが生まれました。そして、Web2.0によって見出された課題(巨大企業による情報の中央集権的)を解決する方法として生み出されたのがWeb3.0です。

Web3.0って何?実現されることやWeb1.0、Web2.0との違いを調べてみた。

Web1.0の時代

Web1.0はインターネットが登場した時代で、情報発信は企業が主体だったのが特徴です。テキストを中心とする情報を企業が一方的に発信し、ユーザーはGoogleやYahoo!などで検索をして必要な情報を手に入れるというスタイルが基本でした。

Web2.0の現在と浮上した課題

Web2.0の時代になると個人がブログを運営するのが皮切りになり、コミュニケーションの場としてインターネットが用いられるようになりました、SNSの登場とスマートフォンの浸透によって双方向的な情報のやり取りが活発になっています。画像や動画を利用してエンターテイメント性の高い情報を共有するインターネットトレンドも高まっています。
課題としてはWeb2.0以降、サイバー攻撃により大手企業の顧客情報が漏えいする問題が多発しています。大手企業のデータベースに個人情報が格納されているのが明らかなので、ハッカーに狙われやすくなっているからです。
ユーザーはサービスを利用する際にセキュリティを考慮し、自分の手が届かないところで情報漏えいが起こるリスクにさらされています。IDやパスワードを騙し取るフィッシング詐欺も流行しているため、個人情報を守る事が大きな課題になっています。

Web3.0の登場

Web3.0はインターネットによる情報共有文化によって明らかになった情報管理の課題を解決する手段として分散管理を取り入れました。ブロックチェーン技術による分散管理を解決策として、情報が一か所に集まることを無くそうとする働きです。個人情報をユーザー自身で管理できるようにして、各自が自己責任でインターネットを利用する仕組みを整えています。

Web3.0が実現すること

Web3.0によって新たに実現できることは何でしょうか?

組織に依存しない自由な利用

Web3.0は組織に依存しない自由なインターネットの利用を実現します。登録先のサーバーのメンテナンスのために利用できない、利用時に個人情報を提供する必要がある、取引プラットフォームの提供企業に利用料金を支払わなければならないといった課題を解決できます。

ボーダーレスの取引

Web3.0はボーダーレスの取引を実現します。国籍や住所などは関係なく利用できるため、グローバルな取引を簡単に実現できます。翻訳技術の発展により多言語対応も可能になり、コミュニケーションをスムーズに広げることが可能です。

セキュリティの向上

ブロックチェーン技術によってセキュリティが向上します。特定のサーバーに情報が集約されることがないため、ハッキングによる情報漏えいのリスクが下がります。IDやパスワードも不要になるのでフィッシング詐欺のリスクもなくなります。

Web3.0の注意点

Web3.0はブロックチェーン技術を使用している影響で現状では注意した方が良い点が3つあります。留意して対応策を検討する必要があります。

ユーザーの増加によるリスク

Web3.0はブロックチェーン技術を利用するため、ユーザーの増加によって取引負担が大きくなると速度が低下するリスクがあります。取引の承認プロセスの加速が課題として挙げられます。

ガス代の不安定さ

ブロックチェーンを利用する際に発生するガス代(取引手数料)が不安定で、今後の動きが予測できない点です。ガス代が上がるとユーザーが離れていくリスクが高くなります。取引単位でガス代がかかるため、少額取引を推進するにはガス代の低価格化が必要です。ガス代は今後の動向を確認する必要があるでしょう。

法的整備の遅れ

日本だけではなく世界的にWeb3.0の利用に関する法的整備が遅れています。取引をしてトラブルが発生したときには基本的に自己責任です。各国で国会に議題が提出されて活発な議論が進んでいますが、トラブルに巻き込まれた際の法的対応が困難になる事に注意が必要です。

Web3.0の特徴的な技術

Web3.0では様々な技術を応用できる可能性を秘めています。現在、Web3で活用されている特徴的な技術を大別するとNFTとDAOがあります。それぞれについて事例を交えながら紹介するので参考にしてください。

NFT

NFTはデジタル資産の唯一性を保証する技術で、非代替性トークン(Non-Fungible Token)と呼ばれています。デジタルアートやゲームアイテムなどを価値のある資産として保有できる仕組みです。NFTはWeb3.0との相性が良く、仮想現実と呼ばれるメタバースでも活用されています。
NFTの活用事例として典型的なのがNFTマーケットプレイスです。クリエイターのデジタル作品を唯一性のある資産として売買できるようにしたOpenseaが有名です。スマートコントラクトによって取引が自動で承認される仕組みを取り入れて、気軽に誰でもデジタル資産を売買できるプラットフォームになっています。
Play-to-EarnゲームのMy Crypto Heroesも人気があります。ゲームをプレイして手に入れたキャラクターやアイテムをNFTマーケットプレイスで売買できるのが特徴です。ゲームで遊んで稼ぐ、コレクターとしてアイテムを収集するといった楽しみ方ができるサービスになっています。

DAO

DAOはすべてのユーザーによって共同で運営されるブロックチェーン上の組織で、自律分散型組織(Decentralized Autonomous Organization)と呼ばれています。経営者や管理者、所有者などが存在しない組織で、意思決定は組織に入っているメンバーによって行われるのが特徴です。

■DeFi
DeFiは分散型金融(Decentralized Finance)のことで、金融サービスをDAOとして構築したものです。分散型取引所のUniswapやDeFiレンディングのAaveなどの事例があります。金融機関が仲介をすることなく、ユーザー間での暗号資産の取引や、ソーシャルレンディングによる資金調達ができるのが特徴です。金融機関の倒産リスクがなく、取引手数料も抑えられるので人気が上昇しています。

■コミュニティ
DAOには多種多様なコミュニティがあります。投資、助成、コレクター、ソーシャル、メディアなどの分野に分けられますが、興味関心があるユーザーが参加して組織を作り上げていく点は共通です。
例えば、Augurは投資に関連するコミュニティで、予測市場プラットフォームと言われています。ビットコイン相場などの予測をして当たったら利益を得られるというシンプルな設計で、気軽に利用できることから注目されています。
和組DAOはソーシャルコミュニティで、Web3と関連技術について議論するプラットフォームになっています。議論が目的で自由参加のコミュニティですが、管理者は存在しません。言論の自由を損なうことなく、本音の議論を交わす場として活用されています。

まとめ

Web3.0は情報管理をブロックチェーン技術によって分散型にした次世代インターネットの概念です。特定の企業による管理から脱却して、個人が自由と責任を持ってインターネットを利用する仕組みになっています。NFTやDAOなどのWeb3のサービスも次々に登場しています。
まだ法的整備が追い付いていないなどの課題はありますが、今後広がっていくことでより民主的でクリーンなインターネット利用が可能になっている未来が楽しみです。

 

KOHIMOTO LABO

WebプロダウションKOHIMOTO Inc.が発信を通して成長していくためのラボ🧪 IT企業出身。世界中の人へ発信できるWebサイトを通じて、社会がより良い方向へアップデートしていく為に日々学び、技術を生かしていきます。