Webサイトに訪れた際、TOPページに下記のようなポップアップによりCookieの同意を求めるケースが最近見受けられるようになりました。
画面いっぱいに表示されるポップアップを見て「邪魔だな」と感じたり「同意して大丈夫なのかな?」と不安になった経験がある方も多いのではないでしょうか。
どこまでの情報が共有されているのかと心配になることがありますよね。この仕組み自体はCookie (クッキー)と呼ばれており、今回はこのCookieについて解説していきたいと思います。
Cookie(クッキー)とは?
そもそもCookieとは、
Webサイトが訪問者のデバイスに、アクセスした日時や回数などの行動履歴を一時的に保存させる仕組みのことをいいます。
ECサイトで買い物をする際、カートに入れた商品が保存されていたりするのは、Cookieによって行動履歴が保存されているためです。
Cookieにより取得される情報について
Cookieでは、
氏名や住所といった個人情報の特定はできません。あくまでも訪問者が使用するブラウザ(GoogleやSafariなど)を認識する仕組みであり、取得できる情報はwebサイトへのアクセス履歴やログインIDなど、webサイトの閲覧に関するデータのみとなります。
※サイト内で個人情報を登録した場合は、一度登録された会員情報として管理されています。
Cookieを使用するメリット
サイト訪問者側
Cookieに同意することで、より快適にwebサイトを閲覧することが可能となります。ログイン必須のサイトでは、再度ログイン情報を入力する手間が省けたり、過去の検索履歴からより最適な検索結果を表示してくれるといった機能もあります。
サイト運用側
Cookieを利用することで、訪問者のページ遷移数やセッション数(サイトへの訪問回数)を測定することが可能となり、行動分析に役立てることができます。
このようにCookie自体は、便利な機能が備わった仕組みだといえます。ただし、このCookie自体が
プライバシーの侵害では?といった声も多く、数年前から議論が行われているのが現状です。
Cookieを使用する問題点
前段でご説明したとおり、Cookieそのものに個人情報を取得するといった機能はありません。しかし取得した情報と他のデータとを照合することにより、個人識別に繋がるケースがあります。
Cookieから得た情報を不正に使用し、個人を特定する動きが増加しており、
プライバシー保護の観点から問題視されています。
また、2019年、フランスのデータ保護規制当局である*CNILは、Googleに対し*GDPR違反で5,000万ユーロ(約62億円)の賠償支払いを命じました。
*CNIL:Commission Nationale De L’informatique Et Des Libertés【情報処理及び自由に関する国家委員会】
*GDPR:General Data Protection Regulation【欧州連合(EU)が2018年5月に施行したデータ保護に関する規則】
このような背景を踏まえ、今世界では多くの企業がCookie規制強化に対応することが求められており、その対応策の一つとして、冒頭でご紹介した
Cookie使用同意を求めるポップアップが挙げられます。
Cookie規制に関する今後の対応策
海外からの顧客をターゲットにしている、また海外向けサービスを展開する企業に関しては、Cookie使用同意を求めるポップアップを実装することを、基本的にはオススメします。
海外ユーザーからの信頼を得るためにも、GDPRの規則に対応するサイトにする必要があります。
日本国内のターゲットをメインに展開する企業に関しては、導入するメリットとデメリットを比較し、ポップアップ導入を検討することをオススメします。
■企業側の導入するメリット
・訪問者の同意を得られた場合、自社データとして行動分析に役立てることができる。
・ターゲティング広告などに活用することが可能となる。
・今後の規制強化に対して、予め準備しておくことができる。
■企業側の導入するデメリット
・サイト内が見づらくなってしまうため、訪問者が離脱する可能性がある。
まとめ
誰でも簡単にアクセスできるwebの世界だからこそ、個人情報やセキュリティについては、今後も注視し学び続ける必要が大いにあると感じます。
Cookieに関する実装でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
tacot
大学卒業後、デジタルマーケティング会社に入社しメディア広告営業やウェブサイトのディレクションを担当。前職の経験を活かしウェブディレクターをしながらWeb制作業界にまつわるコンテンツを執筆中。