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PICK UPデザインユーザビリティ Edit : 2025.05.01 Update : 2025.05.01
【誤タップ5%以内】2025年版・実例で学ぶモバイルのボタンサイズ設計、徹底ガイド

【誤タップ5%以内】2025年版・実例で学ぶモバイルのボタンサイズ設計、徹底ガイド

2025年のスマホアプリでは、見た目はコンパクト、でもタップ領域は広く が使いやすさの決め手になります。片手操作が当たり前になり、機能も増えた今だからこそ、「タップのしやすさ」を重視したボタンのサイズを研究してみました。

最新ガイドライン総ざらい

まずは基本となるガイドラインをしっかり押さえましょう。特にサイズの数値を把握しておけば、あとはシーンや目的に応じて柔軟に使い分けるだけでOKです。迷ったときの判断基準にもなります。

標準 最小ヒットサイズ コメント
Apple HIG 44 × 44 pt iOS / iPadOS / watchOS 共通
Material Design 3 48 × 48 dp 実質 9 mm、Apple と同等
WCAG 2.2 AA
(2.5.8 Target Size)
24 px(例外あり) 最低ライン。余白で補完推奨
Nielsen Norman 1 cm × 1 cm ≒ 38 px 「失敗許容 0」を想定した推奨

余白12 px の魔法

「見た目のサイズ=タップしやすさ」ではありません。たとえばアイコンを24pxに抑えつつ、周囲に12pxの透明パディングを加えるだけで、AppleやMaterialが推奨する48pxのヒットエリアをしっかり確保できます。
Visual 24px icon surrounded by invisible padding to form 48px hit area
アイコン24 px+透明12 px=ヒット48 px

主要アプリの検証

4つの代表的アプリで実測したサイズ一覧です。

Amazon

Amazon Amazonでは、「Buy Now」ボタンに56dpのFAB(フローティングアクションボタン)を採用し、セカンダリ操作は24dpサイズ+12dpの余白で対応しています。Fire UIでも、推奨されるヒットエリアは48dpとされています。

YouTube

YouTube YouTubeは、「いいね」や「共有」などの主要アクションに40dpのボタンを使っています。セカンダリボタンは24dp程度ですが、やや小さめで、ヒットエリアの狭さを指摘する声もあります。

Apple Music

Apple Music Apple Musicは、44ptの「再生/一時停止」ボタンを中心に、セカンダリには32ptのMiniPlayer操作が使われています。片手での操作性を意識して、手が届く範囲に要素を集中させているのが特徴です。

Spotify

Spotify Spotifyの再生ボタンは48dpと標準的ですが、セカンダリのシャッフルボタンは32dp。

多機能ケーススタディ

多機能なアプリほど、限られた画面に要素が詰め込む必要があります。そこで今回は、あえて小さめボタンの使われ方にも注目してみました。

Instagram

Instagram
  • カテゴリチップ:高さ 32 dp、横スクロール
  • 投稿アクション群:Like / Comment / Share――各 44 pt ヒット
  • バッジ & ショップ:アイコン+文字で誤タップ率を 6% → 2% に削減


メルカリ

メルカリ
  • カテゴリチップ:高さ 32 dp、8 dp 間隔
  • 出品 CTA:右下 56 dp FAB
  • フィルタ & バッジ:アイコン+補助テキストで可読性向上

ユーザ行動データと Fitts’s Law

Fitts’s(フィッツ) Law= 「遠くて小さいターゲットほど、タップに時間がかかる”」という物理法則。
1954 年に心理学者ポール・フィッツが提唱。PC のマウス操作も、スマホのタップも同じ公式で説明できます。

平均拇指幅 ≒ 10 mm → 38 pxを参考に、距離×サイズの到達時間を計算し、CTAの優先度を設計してみましょう。

優先度 推奨サイズ
【高】例:主要ボタン ≧44 pt / 48 dp
【中】例:設定アイコン 32–40 dp
【低】例:ヘルプリンク 24 px+8 dp 間隔

デザイン実装 Tips

  1. .button {padding:12px;} で見た目<ヒット領域
  2. 8 dp 間隔ルールで誤タップ防止
  3. iOS UIImpactFeedbackGenerator / Android HapticFeedbackType で確定感付与

運用でミスタップを可視化する

手順 内容 方法
イベントログ+ヒートマップ touch_downtouch_up の座標差を集計
ユーザビリティテスト 20名 × 3シナリオ → 誤タップ率 ≤ 5%


まとめ & デザインチェックリスト

スマホUI設計では、タップ領域の「しきい値」を意識することが重要です。基準としては、24px → 38px → 44/48pt(またはdp) の3段階で設計するとバランスが取れます。

さらに、小さくても押しやすいUIを実現するために、次の4つの原則を押さえておきましょう。

  1. ヒットエリアを広げる(透明でもOK)
  2. 隣接する要素との間隔は8dp以上を確保
  3. 主要なCTAは親指の届く範囲に配置
  4. 視覚・触覚のフィードバックでタップの確実性を高める


UIアップデートでは、以下のKPI達成を目指すなどの目標を可視化します。

  • タップ成功率:95%以上
  • 誤タップ率:5%以下
  • 平均到達時間:10%短縮


デバイスは進化しても、人の指の大きさはまだ進化しません。だからこそ、見えない12pxの余白が、使いやすさを大きく変えます。

KOHIMOTO最小限からでは、始めて最大の成果を出すことを目的に、クライアントと伴走していきます。モバイルサイト・アプリの改善やリニューアルをお考えでしたらお気軽にご連絡ください!



編集者:コウ

年間約20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍