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ユーザビリティ Edit : 2025.11.04 Update : 2025.11.04
問い合わせフォーム離脱の処方箋 | 段階入力ウィザードで迷いをゼロに。

問い合わせフォーム離脱の処方箋 | 段階入力ウィザードで迷いをゼロに。

BtoBのフォームは離脱が起きやすい。
そこでおすすめなのが、入力を段階化して1画面=1タスクに分解する段階入力ウィザード(Step Form)です。本稿では、UI設計・計測・テストまでを一気通貫で解説。実際に離脱率を約40%削減した構成・文言・実装のポイントをまとめます。リニューアルや改善施策の比較検討に、そのまま使えます。


なぜBtoBフォームで離脱が起きるのか

3つの主因

  1. 情報量の過多:いきなり10項目以上の入力。完了までの見通しが持てない。
  2. 意味が伝わらないフィールド:部署・役職・導入時期など、聞く理由が不明だと不信感が生まれる。
  3. エラー体験のストレス:送信後に一気に赤エラー。どこが問題か分からず離脱。

段階入力ウィザードとは?

離脱を減らすUIの肝

問い合わせフォーム離脱の処方箋 | 段階入力ウィザードで迷いをゼロに。
  • 1ステップ=1目的で設問を小分けにする(認知負荷の分散)。
  • 進捗インジケーター(Step 1/4)を明示し、ゴールまでの距離を可視化。
  • 軽い問い(目的・興味)→詳細→連絡先の順で、心理的ハードルを徐々に上げる。
  • リアルタイムかつ優しいバリデーションで“つまずきをその場で解決”。

設計の全体像

情報設計 → UI設計 → バリデーション → パフォーマンス

情報設計

質問は目的別に束ね、最大4ステップに制限。必須=全部ではありません。商談に本当に必要な最小セットに絞り、足りない情報は後追いで補完します。

UI設計

  • 主要CTAは右下固定。「次へ」ではなく「次へ(課題の確認)」のように行先を具体化。
  • 「前へ/次へ」は常時表示。戻っても入力は保持(オートセーブ)。
  • 補助テキストはインラインで短く。「※導入時期はおおよそでOK」など安心感を与える。

バリデーション

  • 必須はブラー時、形式は入力中に案内(過剰な警告は避ける)。
  • エラーはフィールド直下+画面上部の要約で重層的に提示。
  • 責めない文体:「電話番号はハイフンなしの半角数字でOKです」。

パフォーマンス

  • ステップ遷移はフルリロード禁止(部分更新 or SPA的遷移)。
  • モバイル優先:最初の反応を100ms以内に。外部JSは遅延読込。

離脱率を40%削減できる実装

Before / After

ステップ 内容
Before 1画面に13項目+確認画面あり、送信まで3ページ 一括入力→確認→送信で心理負荷が高い
Step 1 目的・興味領域(選択式) 資料請求/相談/デモ希望
Step 2 課題・導入時期(任意多め) 現在の課題、導入予定「今期/来期」
Step 3 会社情報(最小限) 会社名・業種・従業員規模
Step 4 連絡先+同意(確認画面は廃止し要点のインライン確認) 氏名・メール・電話・規約同意

UIベストプラクティス7

実装ポイントとマイクロコピー例

  • 1ステップ1目的:重い項目(個人情報)は最後に。
  • 進捗の数値化:「Step 2/4:あと2分で完了」。
  • 意味のある動詞ボタン:「資料を受け取る」「次へ(課題の入力)」。
  • 入力支援:会社名サジェスト、電話は数字キーボード、導入時期はプリセット。
  • 優しいエラー:「ハイフンなしでOKです」。
  • オートセーブと途中保存の告知:「自動保存中…OK!」。
  • スマホ最適化:44px以上のタップ領域、1画面1CTA、追従CTA。

計測設計(GA4 / GTM)

どこで離脱したかを可視化する

ステップ 内容
1. イベント定義 form_step_view / form_field_error / form_abandon / form_submit
2. パラメータ設計 step_index, step_name, field_name, error_type, success
3. 可視化 ステップ到達率ファネル、エラーフィールドTOP3
4. 意思決定 完了率(KPI)と商談化率(KGI)で改善優先度を決定

A/Bテスト計画

効果検証の進め方

  • 仮説:個人情報を最後に回すと完了率が上がる。
  • 対象:新規訪問者、8週間。
  • 主要指標:完了率、副指標:商談化率、入力時間中央値。
  • 母数:統計的有意を満たすサンプルを確保。
  • 停止条件:期間満了 or 有意差確定。
  • 学びの転用:採用・イベント登録など他フォームへ水平展開。

よくある失敗と回避策

ステップ数が多すぎる問題

上限は4。5以上は統合を検討し、質問を再編成。

「戻る」で入力が消える問題

オートセーブ+入力保持(localStorageやサーバ側のセッション)を実装。

読み込みが重い問題

不要なライブラリ削減、遅延読み込み、遷移は部分更新で体感速度を担保。

同意文が読みにくい問題

要約+全文リンクの折りたたみUIで“読みやすさ”と“遵法性”を両立。


まとめ/次アクション(CTA)

段階入力ウィザードで見通し・安心・軽さを実装すれば、BtoBでもフォームの離脱を減らすことができます。
まずは既存フォームから着手し、ボトルネックのステップと小さく改善→A/Bで検証のサイクルを回してみてもいいかもです✨


KOHIMOTOではWebサイトで最大の成果を出すことを目的に、クライアントと伴走していきます。フォームをはじめ、Webサイトの改善をお考えでしたらお気軽にご連絡ください!

編集者:コウ

年間20万人が訪れるKOHIMOTO Laboの 広報・編集・AIアシスタント⛄を担当しています。興味→Web・AI・ソーシャル・映画・読書|テクノロジー × ヒューマニティのpositiveな未来🌍