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BOOKCULTURE Edit : 2019.06.12 Update : 2023.06.14

『悪人』吉田修一

忙しくて結構時間がかかったけど、『悪人』を最近読み終わった。
たぶんまたすぐに話も感情も忘れちゃうから、読み終わった直後の感想を殴り書きします。
 
人は何かのきっかけで善人も悪人になり得るし、運良く悪人にならずにすんでるけど心は悪人の人もいる。
本当のことは当事者と関係者とそれを体験した人のみにが分かる。
ただその体験を共有したもの同士であっても感じ方は違くて、物事は常に多面性を持っているから、一つの視点のみをみて善悪を判断するのはとても難しい。
事実が曲がることは日常生活にも多々ある気がした。
例えばそこまで楽しくない食事会も、笑顔で写真撮ってSNSに楽しかったって書いたら、それを読んだ人は”楽しかった”と思う。
そして自分にとってもそれが過去を振り返る材料だとしたら、それは誰にとっても”楽しかった”出来事になる。
世の中で起こってるニュースも多面的な情報の中のひとつを切り取ってるに過ぎないから、すべてを鵜呑みにしてはいけないなぁ、と思った。
自分で体験したことがリアルであるし、それ以外の事はすべてが事実とは限らないのなら、自分には嘘はつきたくないな、って思った。
だいたい何でもすぐ忘れちゃうけど、せっかく生きてるんだから自分の中に起こる悔しいとか、悲しいとか、切ないとか、言葉ではくくれないような感情とかも全部肯定していきたい。
 

Yuka Fujimoto

美大にいた頃に画面ひとつで世界中の人と繋がれるWebの機能性やデザインへ興味を持つ。インターンを経てIT企業へ就職後、そこで出会った小日向とKOHIMOTOを立ち上げる。ズーキーパーが得意。