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Edit : 2025.02.10 Update : 2025.02.12
プリミティブフィジカル2:フェティッシュ1の公式「漫才過剰考察」を読んだ感想①

プリミティブフィジカル2:フェティッシュ1の公式「漫才過剰考察」を読んだ感想①

こちらの記事は、こひもとの読書録#6-2の内容の一部を抜粋し編集を施したものです。よろしければ、以下より全編を聞くことができます。



お笑い学会に加担してた

みきこの本の中で、M1の漫才の時代みたいなのを大きく分けて2015~2018を芸人同士で技術を高め合う時代、2019~2023その技術に見慣れた観客との戦いの時代って言ってたと思うんだけど、この後半の2019~2023私めっちゃ加担してるって思って。
ゆかうんうん。
みき今までお笑いテレビでたまに見ることあっても劇場見に行ったりとかまではなかったし。本当に2019の後半にぐっと入り込んで、M1の予選とかも見るようになったし、好きな芸人さんのいろんなロケとかトークとかを、YouTubeとかTverで掘ってみたいな。
ゆかみきちゃん、一時期、千鳥を見てないと落ち着かないみたいな時期あったよね。
みき千鳥を好きになりすぎて全ての番組を見て、それでコロナ渦の精神を安定させていた(笑)

だから、TVで見てちょっと笑ったりしてるだけっていうより、あの人はこういうトークが上手いとか、漫才がこういうところが良いみたいなのとかを、素人なのにめっちゃ分析とかするようになっちゃって、くるまがかいてる笑わず「ネタを見るお笑い学会と化した客席」ってこういう私みたいな人がいっぱいいるからだろうな、って。
ゆか確かに(笑)でも多分みきちゃんも私もそこまでではないと思うんだよね。特定の芸人の追っかけとかではなくて、なんか、お金を落とさないよくないファン。

その部分、M1の歴史をくるま目線で語ってるんだけど、その時々でブームみたいなのがあるとして、もう移ろいの速さがファッションの流行かってくらい凄く速くて、それに喰らいついていくのも、フレッシュさを保ったりするのもめっちゃ大変だなって思って。
みきいや、本当にそうだよね。その時々の世間のムーブみたいなのは絶対あると思うし。
ゆかだから漫才師は何か自分の我流みたいのを見つけるのかなって思った。例えば今回決勝に行ったエバースとか真空ジェシカみたいに、やってることは昔からずっと変わらなくて、だんだん評価が上がっていくみたいなのが強いのかなと。
みき確かに。前半で話したさや香じゃないけど、ブームを追うっていうよりは自分の信念みたいな信じてやり続けた人はかっこいいなって思ったし、そういう人は評価も上がって決勝とかに行くようになるのかな。
ゆかそう思うと信念ってすごいよ。自分の芸を信じて極めてるかっこいい漫才師でM1の決勝とかも行ってないし、テレビとかも出ていないような人もうじゃうじゃいたりするんだろうなって思う。

そう思うと、令和ロマンは早くから結果出したりしてたし、その時代のムーブ的なのを移ろい早いんだけど、それを掴むセンスがピカイチなのかなとも思った。
みきお笑い芸人ってすごいね。
表現でもあるって思うと、自分たちの形を崩して賞レースに合わせたりとかしないっていうのも表現だけど、その時の世間の時流を入れるっていうのも漫才だし、さらにそれを賞レースで勝てるようにとかするってなると、技と経験と客席を読むとかもやらなきゃいけないし。
ゆかあと知名度とかで、この人がこれ言うから面白いみたいなのとかもありそうだよね。 
みきたしかにね、すごい。お笑いで食べていけるようになる要因がもう複合的すぎて、なんか凄すごすぎるし難しい。
ゆかそうだね、あと画面越しで見るより、やっぱなんか生で見るとめっちゃ面白かったりするからほんとすごい。
みき今年もいろいろ見に行けたらいいね。
ゆか時間あったらいきたいね!
なんか年表にもどるんだけど2020年コロナになったじゃん。

舞台数が減って、無観客だから、ネタを叩くってことは出てなかったり、50%でお客さんが入れるようになってもマスク越しだと笑い声が半減したりして、新勢力の突き上げがなかなか難しく、ファイナリスト経験あり、貯金があり、マンパワーがあって、客受け申し分なしのマヂラブ優勝

という風にかいてあって。あの優勝もコロナじゃなかったら、結果が変わってた未来とかもあり得たのかとか思った。

そんでコロナとお笑いの相性が良くて、みきちゃんみたいにお笑いの考察者が増えた中での漫才か漫才じゃないか論争みたいなのは、M1過熱の象徴と言えるだろうって書いてあって。すごい色々繋がってるなっておもった。
みきどうだったんだろうね。コロナじゃなかったら変わってたのかな。マヂラブのつり革のネタすごい面白かったよね。
ゆかうん、伝説だと思う。でもそういう、世界の情勢とかも絡んでくるんだーって。

フェティッシュが欲しい

みきコロナの話で言うと、3年目の時に、

withコロナと呼ばれ、ほっぺたとマスクが馴染んできた頃、世間におけるお笑いは閉塞感からの逃避ではなく、新たな現実での幸福論、つまり爽快感はそのままに、よりアクティブなものが求められ、バラエティでも有吉の壁やラビットなど主人公的な笑いが台頭

っていう風につながっていくんだけど、たしかに、このコロナの時に閉塞感があって、私みたいに人恋しくて現実から逃避してお笑いに没入するっていうのはすごい分かるのね。で、それが過ぎた時の「主人公的な笑い」の意味がちょっと難しかった。

ウエストランドが優勝した理由みたいな分析の中で、他の人たちのことを、さや香はわかりやすく主人公、よねだ2000は天真爛漫な子供の主人公、ロコディと男性ブランコは文化系の主人公みたいにかいてあって。
ゆかなんか、主人公が続いた中で、ウエストランドがヒールじゃないけど、いきなりめっちゃ真っ当な悪口とか言い出して、それが爆発じゃないけど一歩前に出て優勝したみたいな感じで書いてあったよね。
みきネタの世界観にお客さんを引き込むやり方に対して、現実に乗り出して笑わせに来る主人公?ウエストランドが主人公だったってこと?
ゆか優勝したM1においては主人公だったと思うんだけど、爽快感があるラビットとかの主人公の意味と少し違く思える?
みきこの本ではお笑いのいろんな分析がされてて本当に面白くて、考察が優れているが故に芸人じゃないから、なんかくるまの言うことが分かりそうで分からなかった(笑)

この主人公の定義が気になって、多分直接話を聞いたらわかるのかな。
ゆか確かに。なんだろうね。主人公的なお笑い。なんかそれに通ずるかわからないんだけど、芸人に必要な要素みたいなのを地面師のセリフで…
みき「プリミティブでフィジカルでフェティッシュ」でしょ。

プリミティブでフィジカルな部分がお客さんに見下される、愛される要素だとしたら、フェティッシュな部分は見上げられる尊敬される要素これ1対1じゃダメなんだ、フェティッシュが多すぎるんだ、それだと突き放し過ぎている2対1の割合で3分の1にとどまっているくらいが丁度良いアクセントになってるんだよ。
ゆかこれがその主人公感に通ずるかわかんないんだけど、愛される人の要素にも通ずる気がした。
何か日常生活に置いても、めっちゃハイスペっていうより、少しツッコミどころがある人の方が愛されるというか。
みきそれでいうと、くるま自身がこれにかなり当てはまってる。なんか連覇とかもして分析力とかもすごくて、話もテレビとかも面白いのに、偉そうとかに見えなくて、むしろ頑張って人に教えたりとかもして、必死なところとかもあるなって思って応援したくなる。
ゆか分かる。もしかしたらこれに当てはめにいってるのかな(笑)
生きていく上で自分も意識できるならしたいなって思った。
みきそうだね。人に弱みを見せたら、相手が喋ってくれたりとかするのとかも見下されるっていう言い方になるとちょっとマイナスかもしれないけど、人と関係を気付く意味では良いかも。
ゆかうん。でもなんか思ったけど、自分は尊敬できるみたいな部分があんまないから、バランスって書いてあるから、リスペクトの方がむしろ低いなって思う。
みきわたしもだわ。2対1どころか0だわ(笑)
ゆかそういう部分も磨いて良い大人になりたいね(笑)

北お笑いすき

みき寄席で東西南北で漫才を分析していて、これも面白いなって思った。たくさん漫才師とかがいる中で4つにカテゴライズするのとかは本当は難しいのかもしれないけど。

それで、今は結構北お笑いがきてる。みたいな感じでくるまが言っていて。
ゆか言ってたかも。なんでだっけ?
みき雪が降るから家でめちゃくちゃテレビ見たり、自分でインプットしたものを家で家族とか友達とシェアをするのが得意な人が芸人になって独創性とコミュ力が両立してて客席に寄り添うというよりは、ボケとツッコミが2人の世界というか、ラジオブームとかの中で2人の会話の盗み聞き的なのも、そのくるま曰く北お笑いのノリらしいのね。
ゆか2人の独特の会話だけど、それを盗み聞いてるっていうのは、確かにボケとツッコミが向き合ってる北のノリっぽいね。
みきそれで私がダイアンのラジオをずっと聞いてて、同じ中学だからずっと中学の同級生の話とかをずっとこすり続けてて一見何が面白いの?って感じだし、初めて聞いた人は本当に何のこと話してるかわかんないっていう感じなんだけど、なんかずっと聞いてる人からすると、ずっと笑ってられるし何度聞いても異常に面白い。(笑)
ゆかそうなんだ(笑)その仲良し同士の会話だと、マユリカとかもなのかな。
みきあ、そう!その閉じた空間の話を盗み聞きしてるっていう感覚だと、自分が知らない人とかの話でも面白く感じられるんじゃないかって。
ゆかなるほど。確かにふしぎだね。(笑)

漫才が世界に羽ばたいたら

みき最後に世界にって言う章で漫才は本当に海を渡るんじゃないかって、くるまが思った瞬間の話が面白かった。

映画のゴジラ1.0担当した野島さんという方が話した話で、何か日本人は外国映画を見る時、字幕か吹き替えで見るけど、アメリカ人は吹き替えでしか見ない。もちろん多くの国際向け映画は英語で撮られているため、そもそも吹き替える必要がない場合も多く、字幕など意識もされてなかった。それがコロナでNetflixが爆発的に流行し、その中で英語吹き替えのない外国の作品を英語字幕で見るということを覚えた。それによって吹き替えを用意していなかったゴジラも、向こうの映画館で字幕がちゃんとヒットしたという話を聞いて、日本語でそのまま漫才でやって、日本吹き替え版にされて配信されるんだったら、そんなに言語の壁とかなくなるし、漫才自体が本当に世界に行くんじゃないかって思った。


お笑いって世界と日本でブラックジョークとか漫才とか、全然国によって面白いって思われてるものが違うのかなって思って。そしたらの日本のお笑い文化みたいなのを世界に届けるのってかなり難しそうなのかなって思ってたけど、面白さが分かって伝わっていくんだったら、本当にありえない話じゃないのかもって思って。
なんかお笑いが世界で一つの共通言語とかノリみたいになって、言語とか超えて笑いが生まれて平和になったりするのかとか思ったりして。
ゆかたしかに。なんかめっちゃ平和だから発展する文化でもある?戦争とか明日のご飯とかも食べれなかったりしてたらさ、そんなこと言ってる場合じゃないってなるから(笑)

スタンダップコメディとかがアメリカとかだとお笑い的な立ち位置なのかな?それはそれでめっちゃなんかいいなって思うのは政治的な事とかをジョークにしたりとか、面白いなった。
みきそれはそれでめっちゃ面白いな。
そっちのスタイルに適応できる人とか、それがその日本でやってたお笑いとかをちょっとスタイル合わせて面白いって思われる人もいるだろうし、吹き替えになっただけで面白いってなる場合もどっちもあったら面白いね。
ゆか令和ロマンのネタの食パンくわえて走ったりって日本の少女漫画のあるあるだから、それがディズニー作品のあるあるとかに置き換えられたりしたら世界に通じるようになったりするのかな(笑)

そしたら、M1みたいな大会が賞金を1億円とかになったりするのかな。
みきこんなことがあったらすごいね(笑)それがもはや出てる人が日本人だけじゃないみたいな。
ゆかでも2回優勝したって本当にすごいことだと思う。
みきうん、2回目は本当に満足、納得して優勝して、楽しかったみたいでよかったよね。最後、粗品との対談があって、そこで今後自分たちは人を出した漫才に向かおうとしてるって話してて、それがすごい楽しみ。
ゆかうんうん。
みき確かに今までも面白い漫才とかいっぱいずっと考えて作ってきたって思うけど、ある意味本当に何でも表現できるってことでもあるから、どういうふうになっていくのか、より楽しみだなって思った。


こひもと

みき+ゆか / KOHIMOTOというWebサイトをはじめとしたDigital Creativeの会社を営んでいます🤝IT企業出身のエンジニアとデザイナーで元同期。hiphopと本とお笑いが共通言語。